
リモコンリレー(端子台)の考え方と施工手順まとめ
まずは前回、がみでんき色が強く出てしまった件、ごめんなさい。ここからは最初のご要望どおり「ブログ記事」として、公表問題1〜13シリーズの一つとしてきちんと書き直していきます。今回は「公表問題8」だけに絞って、配線図から施工、欠陥チェックまでを一気に整理します。
実情としては、私もこのようにまとめることで学んでいます笑
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それでは、どうぞ。
基礎情報
- 第二種電気工事士 技能試験 公表問題8(令和3〜5年度と同系統の問題を想定)(HOZAN公式解説・各種Web解説を整理ホーザン株式会社)
- 本試験番号でテーマとなっていること
- リモコンリレーを「端子台」で代用した回路構成
- VVRケーブル(1.6mm 2心)の使い方
- 3つの負荷(照明)を別々のスイッチで制御する配線の整理力
- ジョイントボックスと端子台での接続を正しく分ける力
公表問題8は「見た目がごちゃっとしていて苦手…」という声が多いですが、仕組み自体はシンプルで「相(黒)を端子台で枝分かれさせて、それぞれのスイッチ・負荷につなぐ」だけです。ここを言葉レベルで理解してから複線図を書くと、かなりスッキリ頭に入ってきます(電気資格Lab等の解説も同様の方針で説明しています電気の神髄)。
本試験で必要な道具
一般的な技能試験セットに加えて、公表問題8で特に意識したい道具を挙げます。
- 圧着工具(リングスリーブ用)
- 電工ナイフまたはストリッパー(VVF/VVRの外装・心線の剥ぎ取り用)
- プラスドライバー(2番)
- マイナスドライバー(端子台のねじ締め・緩め)
- ペンチ
- メジャー(300mm程度で十分)
- ケーブルストリッパー付きのペンチ/HOZAN合格マルチツール
- リングスリーブへの挿し込み補助・ロックナット等の締め付けに役立つ(HOZAN動画原稿より(Hozan))
本試験で準備する(される)材料
年度により細かい差はありますが、代表的なパターンを整理します(候補問題8の標準構成でんブロ|電気工事の専門サイト)。
- ケーブル
- VVF 1.6mm 2心
- VVF 1.6mm 3心(スイッチとジョイントボックス間など)
- VVR 1.6mm 2心(端子台周りの配線。被覆が丸く、やや硬いケーブル)
- 器具類
- 片切スイッチ(3個)
- ランプレセプタクル
- 引掛シーリング(施工省略用を含む場合あり)
- 端子台(リモコンリレーの代わり)
- ジョイントボックス/アウトレットボックス
- 接続部材
- リングスリーブ(小)
- 差込形コネクタ(2本用・3本用)
- 絶縁テープ
- その他
- ビニルキャブタイヤ丸形ケーブルを模したVVR
- 器具ねじ・取付枠など
心線の太さはすべて1.6mmなので、リングスリーブは「小」サイズのみで足ります(電気書院の試験対策書とWeb解説の条件より)。
実際の問題用紙には、各ケーブルの「芯間距離」が 100 mm・150 mm・200 mm といった寸法で指示されます。それに対して、器具内部に入り込む長さやジョイントで必要な長さを「上乗せ」してケーブルを切る、という考え方になります(電気屋ペコ, 2023)。
主な流れ
ここからは「試験開始〜作品完成」までの流れをざっくり押さえてから、細かい手順に入ります。
- 問題用紙をざっと見て、配線図(単線図)の特徴を確認
- 端子台の記号が出ている
- 3つの照明をそれぞれのスイッチで個別点滅
- 配線図と同じレイアウトで器具記号を書き写す
- 端子台を中心に、複線図を5ステップで作成
- ケーブルの長さを決めて一気に切り出し
- 外装・心線を剥ぎ、仮結線→複線図と突き合わせ
- 端子台のねじ止め、ジョイントボックスの圧着・コネクタ処理
- 最後にスイッチ・器具を取り付けて、導通イメージを頭の中で確認
- 欠陥チェックリストに沿って一通り目視確認
ここで「HOZAN合格マルチツール」の出番がはっきり出てくるのが、次の2か所です(HOZAN・がみでんき動画原稿を整理)。
- リングスリーブに心線を奥まで押し込むとき
- マルチツールの先端の小穴をリングスリーブに合わせて「グッ」と押すと、1cm以上の心線露出欠陥を防ぎやすい
- 取付枠の着脱
- マルチツールの先端を溝にかませてひねると、スイッチの出し入れが素早くできる
道具として「マスト」ではありませんが、問題8は接続点が多く「とにかくスピードと確実性」が重要なので、時間短縮という意味で非常に相性がよい問題です。
配線図の書き方と気を付けること
ここからは複線図の書き方を、できるだけシンプルなルールに分解します。
複線図は次の5ステップで書くと覚えやすいです(資格の大原やElekingの複線図解説と同様の流れ)。
1. 器具をそのまま配置する
- 問題用紙の単線図と同じ位置関係で
- 電源
- 端子台
- ジョイントボックス
- 3つの照明(施工省略分は点線枠だけ)
- 3つのスイッチ
を、方眼紙やメモスペースにそのまま並べます。
ここは「図形の位置合わせ」の作業なので、何も考えず写すだけでOKです。
2. 接地側(白)だけを一気につなぐ
- 電源の接地側(白)を起点に
- すべての照明器具の白
- 必要ならコンセントのW側
に、一直線でつないでいきます。
公表問題8では、端子台は「相(黒)側の分岐」がテーマなので、接地側は端子台を経由せずにジョイントボックスでまとめるパターンがほとんどです(Elekingの解説図より)。
ポイントは「白はなるべく一筆書き」。「白を全部つないでから黒」の順番にすると、複線図の見通しが一気によくなります。
3. 端子台まわりの黒(相)を整理する
ここが公表問題8の「肝」です。
- 電源の黒 → 端子台の共通端子
- 端子台の各出力端子 → 各スイッチへ
- スイッチの戻り線(スイッチから出る線) → 各照明の黒
このとき、ケーブル種別の考え方は次の通りです。
- 電源〜端子台:VVF 2心でOK(黒・白)
- 端子台〜スイッチ群:VVR 2心が指定されるパターン
- 被覆が丸いため、図でも「丸っぽい」表現になっていることが多い
- スイッチ〜照明:VVF 2心
端子台を「リモコンリレーの箱」と見立てて、黒線だけが出入りしているイメージにすると覚えやすいです。
4. 制御線(スイッチ〜照明)を書ききる
- 各スイッチと対応する照明の組み合わせを確認
- 例:アのスイッチ→アの器具、イのスイッチ→イの器具…
- それぞれ「スイッチの戻り線」として黒を引きます。
ここまで書き終わると、「黒の全ルート」が見えるはずです。
最後に、必要であれば3心ケーブルの「赤」をどこに使うかを補助的にメモしておきます(今回はVVR 2心中心のパターンが多いので、赤の出番は少なめですが、年度によっては3心VVFでまとめるバリエーションもありますエレキング)。
5. 電線の色と接続方法を書き込む(必要であれば)
- 白・黒・赤それぞれの線に「W」「B」「R」などの色記号を入れる
- リングスリーブを使うところに「小・○」など圧着マークを書いておく
- 1.6mm × 3本なら「小スリーブ・小マーク」など(資格屋の一覧表参照)
この段階で、実際の施工中に複線図を見返すと「ここは小スリーブ・小マークだな」と一瞬で判断できるので、施工中に迷う時間が減ります。
実技の進め方と息を付けること
ここからはタイムラインに沿って、どこで一息つくかまで含めてステップ化します。
ステップ1:開始5分以内で複線図を終わらせる
- 試験時間は40分。そのうち複線図に使えるのは「長くても5分」
- 慣れてくると2〜3分で書けるようになります(複線図解説サイトでも同様の目安が示されています)
「ここで5分を超えたら、とりあえず一旦切り上げて施工に入る」と決めておくと、焦りが減ります。
ステップ2:ケーブル一括カット(目安10分)
- 問題用紙の「指定寸法」を見ながら、全てのケーブルを一気に切り出します。
- 余長(よちょう)の目安
- 器具側:+150mm
- ジョイントボックス内:+100mm
- 端子台周り:ねじ止めがあるので+150〜200mmあると作業しやすい
VVF/VVR 1.6mmの許容電流はおおむね18A程度で、試験回路の負荷電流は数A以下です(JIS C 3342等の規格値からの目安)。つまり「太さは余裕がある」ので、施工上は曲げ半径と取り回しやすさを優先して長さを決めて問題ありません。
ここで一息。ケーブルを全部切り終えたタイミングで、深呼吸して「複線図と本数・長さが合っているか」をサッと確認しましょう。
ステップ3:外装剥ぎと心線処理(目安10分)
- 外装の剥ぎ取り長さ
- 器具接続部:おおむね100mm(器具によって異なるので気を付けるように。ねじ系は50mm、ゲージがあるものはそれに従う、それ以外は基本1000mm)
- 心線の露出長さ
- 端子台・スイッチ:10〜12mm程度
- リングスリーブ接続部:一度仮に揃えてから15〜20mm程度
ここでHOZAN合格マルチツールのストリッパー溝を使うと、毎回ほぼ同じ長さで剥けるので仕上がりが安定します(HOZAN)。
ステップ4:仮結線→複線図との突き合わせ(目安10分)
- まずは「ねじ止めが必要ない部分」から仮結線
- ジョイントボックス内の白線
- 一部の黒線
- 心線を軽く捻ってまとめるだけにしておき、まだ圧着はしません。
ここで一度、複線図と実物を見比べながら「線の本数・色・行き先」を指差し確認します。
「ここで間違いを見つけて直す」のがもっとも時間効率がよいです。圧着してからやり直すと、リングスリーブの切断という余計な作業が増えてしまいます。
ステップ5:端子台・スイッチ・器具の本結線(目安5〜8分)
- 端子台
- 黒線だけが入るように整理(白が紛れないよう注意)
- 1つの穴に入れる本数が規定内(通常2本まで)か確認
- スイッチ
- 共通端子と負荷側端子を間違えない
- 向きをそろえて取り付け枠に固定
- 照明器具
- ランプレセプタクル:W側に白線、他に黒線
- 引掛シーリング:W表示側に白線
ここで再度、深呼吸。ねじを締めた後に無理に引っ張り回すと、心線が緩んで欠陥につながるので、「締める前に線の取り回しを整える」ことを意識しましょう。
ステップ6:圧着と絶縁処理(目安5分)
- リングスリーブのサイズと圧着マークを複線図どおりに確認
- 1.6mm×2本:小・「◯」
- 1.6mm×3〜4本:小・「小」 など(代表的な6パターンを覚える)
- HOZAN合格マルチツールで心線を奥まで押し込み
- リングスリーブ下から1cm以上心線が見えると欠陥なので、「見えないギリギリまで押し込む」(HOZAN)
- 圧着後は必ず1本ずつ軽く引っ張って抜けないか確認
最後に絶縁テープでリングスリーブ部分を巻き、ねじれや芯線露出がないかを目視確認します。
欠陥・見落としの確認事項
公表問題8で特に多い「やってしまいがちな欠陥」と、そのチェック方法を一覧にしておきます。
- 端子台に白線が混ざっている
- 端子台は「相(黒)専用」と覚える
- 試験終了前に必ず「端子台に白が入っていないか」だけでもチェックする
- 端子台の締め付け不足
- VVRは被覆が硬くて戻りやすいので、締め付け後に軽く引っ張って確認
- ゆるゆるのままだと「接触不良」扱いで欠陥になります
- リングスリーブ下から心線が1cm以上見えている
- HOZAN合格マルチツールで押し込んでから圧着するクセをつける(HOZAN)
- スイッチと照明の対応ミス
- 「アのスイッチを入れたらアの照明」が点くか、頭の中でシミュレーションする
- スイッチの戻り線(黒)が間違った照明についていないか、複線図と照合
- 接地側と非接地側の取り違え
- ランプレセプタクルのW側、コンセントのW側に白線が来ているか
- ジョイントボックス内で白と黒を混ぜてつないでいないか
- 絶縁テープの巻き忘れ
- リングスリーブ接続部は基本的にテープ巻きが必要
- 端子台のねじ部に心線がはみ出していないかも合わせて確認
- VVRの曲げすぎ
- VVRケーブルの許容曲げ半径の目安は外径の6倍程度(一般的な低圧ケーブルのJIS規格値からの目安kaneshindenki.co.jp)
- きつく折り曲げていると「施工不良」と見なされる可能性があるので、ゆるやかなRで曲げるよう意識する
参考資料・動画
この記事の内容は、以下の資料・動画原稿をもとに再構成しています。実際の手の動きやテンポは、動画も合わせて見るとさらにイメージしやすくなります。
- HOZAN「第二種電気工事士 技能試験 公表問題8」解説ページ・動画原稿(リモコンリレー問題の構成・ケーブル種別の確認に利用)ホーザン株式会社
- Eleking「第二種電気工事士 候補問題No.8 複線図の書き方」
- 電気資格Lab「第二種電気工事士 公表問題8 複線図作成手順とポイント」
- 資格屋|第二種電気工事士 複線図解説シリーズ(リングスリーブの圧着パターン一覧)
- HOZAN 電工試験の虎 動画原稿(リングスリーブ挿入と合格マルチツールの使い方に関する説明)(Hozan)
- がみでんきちゃんねる 公表問題シリーズ動画原稿(取付枠の固定・ロックナット処理・合格マルチツールの使用例)
- 電気屋ペコ氏の技能試験解説動画(端子台を使った問題の配線イメージ・実際の手順の確認)
こんな感じで、公表問題8は「端子台を中心に黒の流れを整理する」問題だと割り切ると、かなり楽になります。


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