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【DIY解体】アスベスト関連物を処理しよう!【石綿・リノベ】
みなさんこんにちは、DIY Renovaです。
この記事では、住宅の解体などで問題となるアスベスト(石綿)を含む建材について、専門業者に依頼するのが前提ではあるものの、実際にどのような手順や注意点があるのかを詳しくご紹介します。アスベストは、健康被害のリスクが非常に高い物質であり、法規制も厳しく定められています。そのため”自己判断だけで作業を進める”ことは大変危険であり、かつ”違法性”が伴う場合もあります。必ず”事前調査”や”主任者の選任(労働として請け負っている場合、関連法律で必要)”などを適切に行いましょう。
本記事は、素人の方が読んでも”アスベスト含有建材の解体や処理”に関する全体像がつかめるよう、できるだけ丁寧に解説することを目指しています。
ただし実際には、石綿障害予防規則(以下”石綿則”)等で定められた手順や資格を有する専門家による作業が必須です。あくまで”概要の理解”として読み進めていただき、具体的な作業の際は必ず有資格者や行政窓口に相談・依頼してください。
それでは、どうぞ。
前提:アスベスト関係の処理は専門担当者の事前調査と従事者の講習受講が必須

“アスベストを含む建材”を取り扱う際は、まず何よりも専門担当者による”事前調査”が必須となります。アスベストは肉眼で簡単に見分けられるものではなく、建材の製造年や製品名・用途などを調べ、必要に応じてサンプリング(材料採取)を行って分析するのが一般的です。
また、解体に携わる作業者は”石綿作業主任者”や”石綿等作業従事者特別教育”等の講習受講が義務付けられています。
つまり、たとえDIYで自宅を部分的に解体するとしても、アスベストが含まれる可能性があれば”自己判断で壊す”ことは絶対にやめましょう。
法令により、アスベストの有無を適切に調べずに解体してしまうと、”違法行為”となりかねません。さらに、アスベストによる健康被害(中皮腫など)は潜伏期間が長く、取り返しのつかない大きなリスクを伴います。専門知識と正しい手順が非常に重要です。
アスベストとは?その危険性と規制
アスベストは、天然に産出する鉱物繊維の総称であり、耐熱性や耐久性、断熱性などに優れているため、”過去にさまざまな建材”や工業製品に広く使われてきました。しかし、アスベスト繊維は”非常に細かく”、空気中に飛散して肺内に入りやすい性質を持っています。その結果、長年にわたる吸引で肺が繊維化し、深刻な疾病(じん肺や肺がん、中皮腫など)を引き起こすことがわかりました。
日本では、これらの健康被害を防ぐためにアスベストの規制が強化され、現在は”石綿を含有する製品の製造・使用などが原則禁止”となっています。また”石綿作業主任者”や”特別教育の受講”など、作業者に対して厳しい資格要件や作業手順の遵守が求められています。
アスベスト調査については、下記の記事で紹介しているのでご覧ください。
アスベスト含有建材の”レベル分類”と住宅解体で多い”レベル3″とは
アスベスト含有建材は、作業時のアスベスト飛散リスクの大きさによって”レベル1″から”レベル3″に分けられます。
- “レベル1”: 吹き付け材など、アスベストが大気中に非常に飛散しやすい。
- “レベル2”: 吸音板など、やや飛散リスクが高いもの。
- “レベル3”: スレート板などの成形板で、比較的飛散リスクが低いもの。
住宅解体でよく見かけるのが”レベル3″に該当する成形板です。
外壁や屋根材、内装ボードなどに使われてきた場合があり、”見た目”ではアスベスト含有かどうか判断が付きにくいのが特徴です。
アスベスト解体作業の大まかな流れ
以下では、”レベル3″石綿含有成形板の解体作業を中心に、大まかな手順を説明します。あくまで概要ですので、実際には必ず法令に則り、専門業者や有資格者の指示を仰いでください。
I『事前準備』
- 作業計画を立てる
- 作業手順書を作成する
- 資材を準備する
- 事前調査結果・作業範囲などを掲示する
特に重要なのが”事前調査結果の掲示”です。現場の作業者や関係者が、どの部分にアスベストが含まれているか把握できるようにしておく必要があります。
II『準備作業』
(1) 看板の表示・立入禁止措置
“レベル1″の場合はもちろんのこと、”レベル3″でも飛散のリスクはゼロではありません。作業区画をロープやバリケードで広く囲み、”石綿を取り扱う作業場である”ことを明示した看板を設置しましょう。
掲示すべき情報としては、以下の通りです。
- 事前調査の終了した年月日
- 調査の方法および調査結果の概要
- アスベストが人体に及ぼす作用
- アスベスト取扱いの注意事項
- 必要な保護具の種類
こうした情報を一目で確認できるようにすることで、”第三者の立ち入りを防止”し、作業者自身も”安全意識を高める”ことができます。
III『作業者としての身辺準備』
アスベストの解体作業に携わる作業者は、”安全教育”や”特別教育”を受けるとともに、適切な保護具を着用しなければいけません。
(1) 呼吸用保護具の選定
“レベル3″対応の防じんマスクを使用します。粉じんが大量に発生しそうな場合には、全面形や半面形の呼吸保護具と”保護メガネ”を併用するのが望ましいです。作業現場の状況次第では、粉じんの飛散が想定以上に多くなることもあります。
(2) 作業衣の着用と管理
複数日間にわたる作業であれば、専用の作業衣を用意し、作業場で”密封保管”するようにします。付着したアスベスト粉じんを払い落とす際は、絶対に”ドライブラッシング”だけで済ませないようにしましょう。湿らせたタオルやHEPAフィルタ付き掃除機で吸い取るなど、”飛散しない方法”で行います。作業終了後は、作業衣を自宅に持ち帰らず、”現場で洗濯する”か”密閉容器に入れて管理”します。
(3) 作業中の注意
アスベスト除去作業は、ほかの解体作業以上に”粉じんコントロール”が重要です。休憩時にマスクを外す際は、粉じんが付着している箇所がないか確認し、濡れタオルなどできれいにふき取ります。
IV『石綿含有建材の除去』
レベル3の石綿含有成形板は、”破砕・切断をできるだけ避け”、手作業で原形のまま取り外すのが理想的です。以下の点に注意してください。
- “原形のまま運ぶ”ための準備 もし廃材を大きいまま運搬できるようであれば、そのサイズに対応した”車両”や”フレキシブルコンテナ”を用意しましょう。切断などで飛散リスクを高めないことが大切です。
- “やむを得ず破壊”する場合 どうしてもバールや丸ノコ等で破砕する場合は、必ず”散水”や”湿潤化”を行いながら作業します。しっかりと水を含ませることで、粉じんの飛散を抑えられます。もちろん、その場合は”レベル3以上の保護具”やメガネをしっかり着用し、作業者は”上位の防護レベル”を確保してください。
- “大きな成形板”の切断 スレート板などが大きすぎてそのまま運べない場合には、切断前に十分な散水やミストを用いて、”湿潤状態”を保ちます。乾燥した状態でカットすると、アスベストを含む粉じんが大量に飛散する可能性があるため、絶対に避けましょう。
V『作業記録と保存』
“石綿則”第35条では、アスベスト除去作業などに携わった労働者について、”作業記録”を”石綿等作業に従事しなくなった日から40年間保存”しなければならないと定めています。主な記録項目は以下の通りです。
- 労働者の氏名
- 従事した作業の概要と作業期間
- 粉じんが著しく汚染される事態が発生した場合、その概要と講じた応急措置
これは、長期的な健康被害リスクに対応するための措置です。アスベスト関連作業を行う事業者や主任者は、”記録の重要性”を十分理解して保管に努める必要があります。
アスベスト含有建材の具体的な除去・運搬の注意点
“レベル3″であっても、作業環境によっては粉じんが多く舞う可能性があります。特に、屋根材や壁材を破壊して撤去する際には、以下の点を厳守しましょう。
- “湿潤化”の徹底 解体対象の素材にあらかじめ水を含ませ、粉じんを舞いにくくする。ただし、建材によっては吸水性が低いものもあります。その場合は、適切な方法で”繰り返し散水”をしながら作業してください。
- “飛散防止シート”や”養生シート”の活用 解体部分の周囲をビニールシートや専用シートで覆い、アスベスト粉じんが外部に拡散しないようにします。屋外作業の場合でも、近隣に粉じんが飛ばないように配慮する必要があります。
- “原形維持”がベスト 繰り返しになりますが、可能な限り原形を維持して撤去することで、解体時の”粉じん発生”を最低限に抑えます。
- “運搬時の二次飛散防止” 取り外したアスベスト含有建材は、専用の袋やフレキシブルコンテナ(耐久性のある袋)などに入れて封をし、車両に積載します。運搬中に破損して飛散するのを防ぐため、”入念に梱包”することが大切です。
作業に必要な道具と保護具

- “呼吸用保護具”(防じんマスク: DS2やDL2など、レベル3相当の防じん性能が必須)
- “保護メガネ”やゴーグル(切断作業がある場合は特に重要)
- “使い捨て防護服”や専用作業着(アスベスト粉じんの付着を最小限にする)
- “長靴”や安全靴(作業靴に粉じんが付着しないよう留意)
- “密封容器”または”フレキシブルコンテナ”(廃材の回収用)
- “湿潤化用の噴霧器”や”ホース”、”エアレススプレイヤー”など
- “HEPAフィルタ付き掃除機”(作業場に飛散した粉じんを回収)
これらは最低限必要とされるものですが、作業内容や現場規模によってさらに追加の装備が必要となる場合もあります。
アスベスト廃材の処理方法と処分先
アスベストを含む廃材は、“特別管理産業廃棄物”に該当します。一般の廃棄物処分場では受け入れ不可の場合が多く、”アスベスト対応可能な処分施設”へ運搬・処分しなければなりません。処理業者を選定する際は、以下を確認しましょう。
- 廃棄場所に関連する県から”産業廃棄物処理業”の許可を持っているか
- “アスベストの取り扱い実績”があるか
- 処分方法や費用に関する見積もりは明確か
廃材を受け入れてもらうには、”飛散防止措置をとった上での梱包”が必要です。また、受け入れ時に”産業廃棄物管理票(マニフェスト)”を作成・交付し、適正に処理されたことを確認する義務があります。
DIYで気をつけるべきポイント
近年、DIYブームで自宅を”セルフリフォーム”したいという方も増えています。しかし、建物が古い場合、知らずにアスベスト入り建材に手を触れてしまうリスクがあります。以下の点を特に意識してください。
- “建築年”を調べる 日本では2006年にアスベストの使用が原則禁止になりました。2006年以前の建物にはアスベスト含有建材が使用されている可能性が高いです。
- “検査キット”や”専門家による分析” 簡易検査キットを利用する、あるいは専門家に依頼してサンプリング分析を実施することが重要です。
- “無理は絶対にしない” アスベストの可能性が少しでもあれば、”安全第一”で対応しましょう。たとえ一部解体や取り外しでも、法令で定められた手順や保護具をきちんと守らないと、健康被害・法的トラブルにつながります。
- “自治体や専門業者への相談” 自治体によっては、アスベスト関連の相談窓口や専門業者の紹介制度があります。まずは公的機関に問い合わせてみましょう。
実際に作業を行う専門家に依頼する際のチェックリスト
DIYでは危険が多いアスベスト解体ですが、専門家に依頼するにも知っておきたいポイントがあります。
- “事前調査”の有無 依頼する業者が、解体前に”アスベスト分析調査”をきちんと実施するかどうかを確認しましょう。
- “石綿作業主任者”の配置 石綿則に基づき、”レベル1″や”レベル2″の工事では必須となります。レベル3でも専門知識を持った人員がいるかをチェック。
- “作業計画書や手順書”の提示 飛散防止措置がどのように行われるかを、具体的に説明してもらいましょう。
- “費用とスケジュールの透明性” 費用にアスベスト除去費や産業廃棄物処分費などが含まれているか明確に確認します。スケジュールに無理があると、作業が雑になったり、安全対策が疎かになったりする可能性があります。
- “アフターフォロー” 作業後の清掃や空気中のアスベスト濃度測定など、アフターフォローがあるかどうかも重要です。
おわりに

以上、アスベスト含有建材の”レベル3″解体を中心に、注意すべきポイントや全体の流れをご紹介しました。アスベスト関連の処理は、”専門担当者の事前調査”や”従事者の講習受講”などを前提に、厳格な手順を踏まえて行わなければなりません。作業に不備があると、”周囲の健康被害”だけでなく、”法的責任”も大きく問われる可能性があります。無理をせず、必ず信頼できる専門業者に依頼するか、少なくとも自治体や建築関係の相談窓口に一度問い合わせて、状況を確認するようにしてください。
もしDIYでのリフォームや解体などを考えている方は、”対象の建物の建築年”や”使用されている建材”を事前によく調べ、”アスベストのリスク”について正しい理解を持っておきましょう。安全第一で、長期的に健康を守りながら住まいを整えることが何より大切です。
参考資料・リスペクト
- 一般社団法人石綿対策全国連絡会 含有建材データベース https://asbestos-database.jp/ (アスベスト含有建材の判別や取り扱いの方法などの情報が充実しています)
- 厚生労働省「石綿障害予防規則」 (アスベスト作業における具体的な規定が定められています)
アスベスト関連の作業は、どうしても規制や手間が多いものですが、それだけ”健康と安全”が最優先されているということです。正しい知識と設備、そして専門家の力を借りて、しっかりとアスベストのリスクに対処していきましょう。
この記事が、少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。何かありましたら、コメントやお問い合わせなどでお気軽にご質問ください。これからも”安全”と”快適な暮らし”のための情報を発信していきます。以上、DIYRenovaでした。
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