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温水、ガスVS電気式、どっちがほんとはもっとエコ/コスパ良い?【エコキュートVSエコジョーズ】
みなさんこんにちは、DIY Renovaです。
住宅をセルフリノベーション・DIYでリフォームするとき、「給湯方式をどうするか?」はとても大きなテーマになります。特に、
- ガス配管を引くかどうか
- 調理をIHにするか
- 光熱費と環境負荷をどうバランスさせるか
といった観点で悩まれている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
- エコジョーズ(高効率ガス給湯器)
- エコキュート(ヒートポンプ式電気給湯器)
を徹底的に比較し、「本当にエコで、コスパが良いのはどちらか?」を工学的な観点・CO2排出量・将来性を含めてわかりやすく解説します。どちらを選べばよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!
それでは、どうぞ。
比較対象を整理しよう
比較項目 | エコジョーズ(ガス) | エコキュート(電気) |
---|---|---|
熱源 | 都市ガス(LNG) | 電力(ヒートポンプ) |
給湯効率 | 約95% | COP3.2(実質320%) |
初期費用 | 約20万円~25万円 | 約35万円~60万円(補助金最大13万円) |
ランニングコスト | 約14円/kWh相当 | 約9〜12円/kWh相当(深夜電力) |
CO2排出量 | 約0.19 kg-CO2/kWh | 約0.12 kg-CO2/kWh(東京電力想定) |
寿命・更新目安 | 10〜12年 | 15年〜 |
ランニングコストで見るとどちらが得?

具体的な数字で試算してみましょう。
【前提条件】
- 給湯量:250L/日(家族3〜4人)
- 温度差:15→40℃(ΔT=25℃)
- 年間熱量:2,650 kWh相当
【年間光熱費】
- エコジョーズ:14円 × 2,650kWh ≒ 37,100円
- エコキュート:9〜12円 × 830kWh(COP3.2換算)≒ 7,500〜10,000円
→ 年間で2〜3万円以上の差が出る可能性がある。
初期費用と補助金の比較
エコキュートは初期費用が高めだが、現在は国の補助金(給湯省エネ2024、最大13万円)が適用される。これにより、実質的な初期差額は7〜10万円程度に抑えられる。
これをランニングコストの差(年間2〜3万円)で割れば、おおよそ3〜4年で回収可能。その後は毎年の光熱費が浮く構造になる。
手順A:電気(エコキュート)
- 年間電力量= 2,650 ÷ 3.2 ≒ 830 kWh/年(代表例)
- 年間電気料金= 年間電力量 × 従量単価(深夜・再エネプランの活用で下げやすい)
手順B:ガス(エコジョーズ)
- 年間ガス投入= 2,650 ÷ 0.95 ≒ 2,790 kWh相当
- 年間ガス使用量= 2,790 ÷ 12.5 ≒ 223 ㎥/年(13Aを概算)
- 年間ガス料金= 使用量 × 単価 ± 基本料(東京ガスは毎月原料費調整で上下)
→ 具体の単価は検針月の「単位料金」を参照。自宅の明細か最新発表で再計算を。東京ガス
「どちらが安いか」は、**電気の使い方(深夜・ダイナミックプライシング・太陽光自家消費)**と、**ガスの単価(地域・月次の原料費調整)**でひっくり返ることがあります。家ごとの「再計算」が最短の正解です。
CO2排出量と環境性能で比較
年間CO2排出量
- エコジョーズ:約0.19kg × 2,650kWh ≒ 500kg CO2
- エコキュート:0.12kg × 830kWh ≒ 100kg CO2
→ エコキュートは約80%削減。電源の再エネ比率が高くなるほど、今後さらに有利になる。
また、ガスにはメタン漏えい(20年間の温暖化係数がCO2の80倍以上)という見えない温室効果もあるため、実際にはさらに差が開く可能性がある。
時短・快適性でガスが優位な場面もある
例えば、シャワーを連続で使いたい、浴室暖房も同時に使いたい…という場合は、ガス給湯器の**瞬間沸かし能力(10〜20kW級)**が力を発揮します。
エコキュートはタンク式であるため、タンク容量を超えた大量給湯が連続すると湯切れする場合も。
このため、「来客が多い家」「寒冷地」「風呂にこだわる家庭」では、ガス式の瞬発力に軍配が上がるケースもある。
快適性とパワーの話(「号数」とは何か)
- ガスの「〇号」は毎分出せるお湯の量(Δ25℃)の目安。24号なら「毎分24L」。キッチン+浴室同時使用など同時給湯に強い。来客が多い家や、浴室暖房を同時に回す家庭ではガスに軍配が上がる場面がある。サンレフレ
- エコキュートはタンク式。タンク容量を超える長時間連続使用では湯切れリスクがあるため、「大容量タンク」「昼間追い焚き」「太陽光余剰での昼間沸き上げ」などの運用設計が鍵。
寒冷地・湯切れ・設置スペースの実務解決
- 寒冷地は「寒冷地仕様」を選ぶ。−20℃対応注記や「低外気でも沸き上げ可」の条件を確認。−20℃〜−25℃では満水沸き上げに制約の注記がある機種もあるので、取説の但し書きまで要確認。ダイキン
- 湯切れ対策は「容量」「運転スケジュール」「節湯器具」の3点セット。
例:370L→460Lに、昼間に1回サブ沸き上げ、節湯シャワーヘッドの併用など。 - 設置スペースは「幅70×奥80×高200cm」級+搬入経路(階段曲がり・門扉)+コンクリ基礎(アンカー)+ドレン排水を忘れない。重量300kgクラスは「運搬ルート」と「下地強度」の事前確認が命。
「乾太くん」のためだけにガス配管を引くのは得か?

乾燥機に「ガス式(乾太くん)」を使いたいが、調理も給湯も電気で…というケースは多いです。この場合、乾太くんのためだけに都市ガスを引くのは、費用対効果としてどうでしょうか?
初期コスト
- 都市ガス引き込み:10〜15万円
- ガス栓・乾太くん工事:10〜15万円
- 乾太くん本体:20万円前後
→ 合計:約40〜50万円
月間ランニングコスト
- 1回あたりガス代:40〜50円
- 毎日使って月1,500円+基本料金(約750円)
→ 年間2.5万円前後の運用費
電気式(ヒートポンプ乾燥機)との比較
- 本体価格:7〜13万円
- 1回あたり電気代:25〜30円
- 年間光熱費:約1万円
→ ランニング差:約1.5万円/年 → 投資回収までに20年以上かかる
→ CO2排出量でも両者はほぼ互角。再エネ化が進む電気の方が将来性は高い。
乾太くんを導入したい人の「ほんとの損得」
- 公式カタログ例では、6kgで約96円/回、9kgで約149円/回(LPガス・電力の前提を明記)。時短は圧倒的で、雨天・花粉・夜間に強い。リンナイ
- ただし、ガス栓新設・外壁開口・排湿ダクト・台設置などの「設置工事一式」+「月額基本料」がかかる。
- 電気側の競合は「ドラム式ヒートポンプ乾燥機」。1回あたり電力のみで、太陽光余剰の自家消費と相性が良い。乾燥時間は長くても、省エネで静か。
- 結論:「乾く速さに高い価値」を置く、洗濯回転数が多い家庭なら乾太くんに分がある。逆に「太陽光×オール電化」で総ランニングを抑えたいなら、電気HP乾燥の方がトータル最適になりやすい。
ヒートポンプ式の課題と対処
湯切れ対策
- 昼間の再加熱設定、太陽光余剰電力の利用、370L以上の大容量タンクを採用
凍結対策
- 寒冷地仕様モデル(外気-20℃対応)を選定
設置スペースの確保
- 幅70cm×奥行80cm、高さ2m弱。基礎設置・重量300kg超のため搬入ルートも要確認
結論:エコ&コスパ両面で有利なのは「エコキュート」
- 光熱費:年2〜3万円安い
- CO2排出量:約80%削減
- 補助金あり:初期費用も実質差は小さい
ガスが勝るのは「瞬発力」「狭小地・寒冷地」「導入しやすさ」だが、それらの条件がなければ中長期的に電気式が明らかに有利といえる。
乾太くん導入のためだけにガスを引くのも、よほどの時短メリットや乾燥品質に価値を置かない限り、費用対効果としては低め。
まとめ:あなたにとっての正解は?
いかがでしたでしょうか。
上記述べた内容を改めてまとめると、下記の通りとなります!
条件 | オススメ給湯方式 |
---|---|
オール電化志向・太陽光あり | エコキュート一択! |
湯切れが心配・来客が多い | エコジョーズ+タンクレス給湯 |
家が狭くてタンクを置けない | エコジョーズ |
環境意識が高く、長期的にエコ志向 | エコキュート |
乾太くんを毎日回す | 都市ガス+ガス乾燥機+(給湯は電気でもOK) |
実際の選び方フローチャート(迷子にならない道順)
- 「タンクを置けるか」:搬入・基礎・防火壁クリア → 置けるならエコキュート本命。置けないならガスへ。
- 「同時給湯の必要性」:キッチン+シャワー+浴室暖房の同時使用が日常的か。Yesならガス優位。
- 「寒冷地か」:−15〜−25℃帯。Yesなら寒冷地仕様(エコキュート)かガス。
- 「電気が安く使えるか」:太陽光あり、深夜単価が安い。Yesならエコキュート優位。
- 「乾燥ニーズ」:毎日1〜2回乾燥。速乾の価値が高いなら乾太くん+(給湯はどちらでも)。
- 「CO2優先か」:再エネメニュー選択&ヒートポンプ効率で電気が伸び代大。東
そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!
よくある勘違いを3つだけ
- 「ガスはパワーが段違い=いつでも最強」
→ 号数の意味は同時給湯の余力。一方、エコキュートも容量と運用でほぼ全家庭が困らない設計は可能。サンレフレ - 「電気はCO2が高いから環境に悪い」
→ 事業者係数は年々更新され、ゼロメニューも選べる。再エネ化が進むほど電気×ヒートポンプの優位は増す。東京電力 - 「乾太くんは必ず元が取れる」
→ 速さは圧倒的だが、基本料+工事費+燃料費を含むトータルで。電気HP乾燥との比較は家の回転数次第。リンナイ
参考にした記事・資料
- 東京ガス料金表A/B(2025年5月検針分)
- 給湯省エネ事業(経済産業省・環境省 2024〜2025)
- リンナイ公式サイト(乾太くん消費量)
- 各種メーカー資料(COP、CO2排出量、エネルギー効率)
※本記事は2025年5月時点の制度・料金・性能を基に作成しています。最新情報は各自治体・メーカー・電力会社等の公式情報をご確認ください。
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