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ライト・照明の間隔の決め方:DIYリノベで迷わないための完全ガイド【セルフフォーム】

みなさんこんにちは、DIY Renovaです。

セルフリノベーションで最初に悩むのが電気計画中の「照明をどこに、どれだけの間隔で設置すべきか」です。わたしも最初「ソケットって何をどうつけるの?全部真ん中?」って悩みました。でも、「どこにどんな明るさが欲しいか」から逆算して配置を仮決め→そこにソケットをつける、という順番でやれば案外スムーズ。
照明の配置=ソケットの配置=電線のルートってこと、覚えておくと後悔しません!

Table of Contents

✍️この追加によって期待できる効果:

  • 「どこに穴をあけるか」具体的にイメージできる
  • 電気工事士に「ここに出してほしい」と指示しやすい
  • 引掛けシーリングのDIY設置位置が明確になる
  • 記事が「現場で即使える実用設計書」になる

そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!

それでは、どうぞ。


1 照明計画を制す者は空間を制す

照度設計は感覚ではなく「ルーメン」と「ルクス」という数値で管理できます。JIS Z 9110では住宅の照度目安を次のように示しています。

空間作業面目標照度くつろぎ面目標照度
リビング200〜300 lx150 lx
ダイニング300〜500 lx200 lx
キッチン作業台500 lx 以上
寝室75〜150 lx50 lx
廊下・階段100〜150 lx

※1 lx(ルクス)は1㎡の面積に1 lm(ルーメン)の光束が当たった明るさ。

1−1 必要ルーメンの即席計算式

必要ルーメン = 室面積(㎡) × 目標照度(lx)

例:8畳(≒13.2㎡)の寝室で目標照度 100 lx の場合→約1,320 lm。LED器具ラベルの「全光束」を足し合わせ、この値±15 %に収めればほぼ適正です。

1−2 均照度比の目安

均照度比(最小照度 ÷ 平均照度)を 0.4〜0.7 とすると「ムラの少ない」空間になります。


2 設計フロー6ステップ

  1. 部屋用途と広さ・天井高をメモ
  2. JIS目標照度を確認
  3. 必要ルーメンを算出
  4. 器具の光束合計を決定
  5. 器具種別と間隔を仮決定(本稿後半を参照)
  6. スマホ照度計アプリまたは簡易ルクスメータで現地検証

これを部屋ごとに繰り返せば、後戻りのないプランが完成します。

2-1. ソケット配置と電線計画のポイント【DIYでも失敗しない】


✏️ 追記本文(例):

「間隔」だけでなく「配線ルート」も忘れずに。天井裏に電線を通すには、照明の数だけ配線分岐やソケット(引掛けシーリングやダウンライト用の穴)をあらかじめ決めておく必要があります。DIYでも以下の考え方で決めておくと、後から「足りない」「遠すぎた」などの失敗を防げます。


🔌 位置決めの基本3ルール


  1. 天井照明・ダウンライトは壁から60cm離すのが基本!
     照明が壁に近すぎると、光が偏ってしまい「影」になります。まずは壁から60cmのラインを想定して、天井中央まで「照明ライン」を引くイメージで設計しましょう。実際、Philipsの天井用スポットガイドでは「壁から60cm」離す配置が推奨されています
  2. 1.2mピッチでソケット設置を仮決め
     一般的な天井高(2.4m〜2.5m)なら、ダウンライト・ソケットは1.2m〜1.5mおきにすると均一な光になります。
     たとえば、横3.6m × 縦4.5mの部屋なら、
     → 1.2mごとに横3列 × 縦3列のグリッドで配置すると◎
  3. 電源は「壁側」に1か所でOK、そこから分岐配線
     ソケットの中心位置をメジャーで決めたら、分電盤から最寄りの壁際に1つ電源を引いて、VVFケーブルで並列につなぐだけ。
     分岐点は天井裏でジョイントボックスを使えば、見た目も安全も問題なし。

🧰 配線DIYでよく使う構成(例)

用途ソケットの数配線方法(例)
寝室8畳ダウンライト×4壁の角1点から、天井裏で十字に分岐(1.2m間隔)
廊下4m引掛け×2入り口からVVF直線延長(2m間隔)
LDK 16畳ダクト+シーリング混在メイン天井中心に配線ボックス、そこから左右に展開

2-2. ウォールライト(壁付け照明)の位置と電線の決め方


🛠 ウォールライトの設計は「高さ」と「用途」から逆算!

ウォールライトは「おしゃれ重視」なイメージがありますが、配線の出し方と高さが命。あとから「ここに付けたかった…」とならないためにも、以下の3ステップで決めましょう。


✨ ステップ1:目的を決める(雰囲気 or 実用?)

用途目的配線高さの目安補足
ベッドサイド読書灯床から90〜120cmベッド上から手が届く高さ。スイッチ付きが便利
階段や廊下足元照明床から60〜80cm人感センサーと相性良し
壁アート照明上方向の演出目線高さ(1.4〜1.6m)アートの幅の中央に合わせる
リビング演出間接光1.5〜1.7m壁の両側にシンメトリー配置がおしゃれ

✨ ステップ2:配線は「縦」に壁内で通す!

  • コンセントと同様に、ウォールライト用の電源も床付近(または天井付近)から縦に壁内配線します。
  • 新築・スケルトンなら壁裏にVVFケーブルを通す余裕あり。
  • リフォームやDIYで壁が残っている場合は、壁モール(電気用樹脂配管)で外付け配線にしてもOK。

✨ ステップ3:電線は「スイッチと連動」か「センサー」かを決めてから!

  • 壁スイッチから電源を取る or 個別のスイッチ内蔵タイプを選ぶかを、先に決めて配線分岐を用意
  • たとえば寝室なら「入口スイッチ連動」と「読書灯用独立配線」の2系統がベスト。
  • DIYなら「調光・ON/OFF付きコンセント型」を選ぶと配線作業が簡略化。

3 ダクトレール照明

3−1 基礎知識

ダクト(ライティングレール)は「位置変更の自由度」と「ペンダント・スポット兼用」が魅力。ビーム角 40〜60° のスポットライトを用いると使いやすいです。

3−2 推奨間隔早見表

天井高ビーム角60°想定ビーム角40°想定
2.4 m1.0〜1.2 m0.8〜1.0 m
2.7 m1.2〜1.4 m1.0〜1.2 m
3.0 m1.4〜1.6 m1.2〜1.4 m

※中心間距離。同ビーム角なら「間隔 ≒ 0.5 × 天井高 × tan(θ/2) × 2」に近似。

3−3 DIY設置ステップ

  1. 下地センサーで梁・野縁を探す(レールは必ず下地固定)
  2. 付属ブラケットをビス留め
  3. 配線を確認し電源側を接続(分岐の延長は有資格作業。既存引掛けシーリングを流用するアダプタ式なら資格不要)
  4. レールをはめ込み水平器で確認
  5. スポットライト/ペンダントを 60〜90 cm ピッチで仮留めし、点灯テスト後に微調整

3−4 キッチンカウンター実例

  • カウンター幅 180 cm → ペンダント ×3、中心間隔 70 cm
  • 床〜器具底 80〜90 cm とすると視線を遮らない

4 ダウンライト

4−1 推奨間隔公式

一般住宅向け埋込ダウンライト(ビーム角 100°)の場合、中心間隔 S は S ≒ 1.2 × 天井高 (m) が経験則。天井高 2.4 m なら約 2.9 m だが均照度を取るため 1.2〜1.5 m に抑えるのが現実的。

4−2 レイアウト手順

  1. 壁から 600 mm 離したラインを起点
  2. 残りを 1,200 mm ピッチ(天井高2.4 mの場合)で市松配置
  3. 必要光束を満たすまで個数調整

4−3 開口と取付け

  • 石膏ボード穴あけはホールソー径 φ75〜120 mm が主流
  • 既存梁・電気配線を傷つけないよう下地探査
  • 防雨型(IPX4 以上)は洗面・屋外軒下にも流用可

4−4 均照度試算例(8畳)

  • 設計:φ100 mm 900 lm×4 灯、1.5 m グリッド
  • DIALux シミュレーション→平均照度 165 lx、均照度比 0.62

5 通常ソケット(引掛けシーリング)

5−1 使い所

  • 8畳までの個室:中央1灯で時短DIY
  • 廊下:2 m ピッチで小型シーリング連装

5−2 複数設置アイデア

シーン取付位置中心間隔補助
LDK 16畳ダクト+中央シーリング足元間接照明
廊下天井中央2.0 m壁付けブラケット
階段各踊場1.5 mセンサー付

5−3 配線延長の安全策

  • 既存シーリングを外し、ライティングレール変換アダプタで多灯化(要電流容量確認)
  • 壁モールで露出延長 → モール内部配線は電気工事士必須

6 色温度・演色性・省エネ視点

  • リビング:2,700〜3,000 K(電球色)で寛ぎ感
  • キッチン/作業室:4,000〜5,000 K(昼白色)で視認性向上
  • CRI(Ra)90 以上推奨…木材の質感が美しく再現
  • 調光+調色対応LEDなら一灯多役
  • 年間照明電気代は「消費電力 (W) × 使用時間 (h) × 365 × 0.031円」で概算

7 部屋別ベストプラクティス

7−1 リビング 12畳

  • ダクトレール 2 m ×2列、スポット8灯
  • 壁面アートに 30 ° スポットライト
  • ワークデスク上にフロアライト 800 lm

7−2 寝室 8畳

  • ダウンライトφ100 900 lm×4
  • ベッド両側にウォールランプ 400 lm×2(読書灯)
  • 照度切替付調光スイッチで入眠モード 50 lx

7−3 廊下 4 m

  • 小型シーリング 600 lm×2(2 m ピッチ)
  • 人感センサー併用で待機電力削減


8 よくある失敗と解決策

事例原因即効リカバリ
スポットがまぶしいビーム角が狭すぎディフューザ―追加 or 位置後退
暗いセンターゾーン器具数不足追加ソケット or スタンドライト追加
LEDがチラつく調光器非対応調光器交換 or 非調光LEDへ

10 資格・法規・安全事項

  • 第二種電気工事士:屋内配線延長やコンセント増設が可能
  • 電気用品安全法:PSEマークのある器具を選定
  • 内線規程 第14版 JEAC8001-2022:木造天井裏配線はVVFケーブル許容電流 15 A まで
  • 作業中は必ず分電盤ブレーカーOFF。検電ドライバーで無電確認

11 費用概算(参考)

項目DIY費用めやす備考
ダクトレール2m+スポット4灯約20,000円器具・電球別
φ100ダウンライト×4約12,000円埋込器具+LED
シーリングライト12畳用約8,000円調光調色付
ルクスメータ2,000〜4,000円スマホアプリなら無料

12 まとめ

この記事では「照明計画→器具選定→間隔設定→DIY施工→検証」という一連の流れを、JIS照度基準と経験則に基づき体系化しました。以下を実行すれば失敗しません。

  1. 必要ルーメンを数値で決める
  2. 手法別推奨間隔表に当てはめる
  3. ルクスメータで現場確認し微調整
  4. 電気工事資格の範囲を厳守

照明は「光のインフラ」。適切な計画で「作業効率」「居住性」「省エネ」をすべて向上させましょう。


参考文献・動画・ツール


※本記事の情報は2025年6月時点の国内法規・製品仕様を基に作成しています。DIYは自己責任で安全第一に行い、必要に応じて有資格者へ依頼してください。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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