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【DIYリノベ】板金屋根の設置作業に必要なものと選び方【ガルバリウム鋼板】
はじめに:屋根DIYに挑戦してみたいあなたへ

みなさんこんにちは、DIY Renovaです。
「雨漏りが心配になってきた」「築20年以上の木造住宅で屋根が古くなってきた」
そんなとき、プロに頼らず、自分で板金屋根の改修にチャレンジしたいと思ったことはありませんか?
実は、日本の一般的な木造2階建て住宅なら、ある程度の体力と安全対策をすれば「整形済みの屋根材」を用いたDIY施工が可能です。しかも、板金屋根(ガルバリウム鋼板など)は比較的軽量で、施工後のメンテナンス性も高いというメリットがあります。
この記事では、建築のプロでなくても「これを読めば始められる!」という水準で、必要な道具・選び方・実際の取り付け手順・安全対策まで、すべて一からわかりやすく解説していきます。もちろん、工学的な視点も交え、「なぜその道具や方法が必要なのか?」という理由も解説しますので、DIY初心者の方でも納得しながら進められるように記述しました。
それでは、どうぞ。
板金屋根の種類と施工方式を知ろう
板金屋根といっても、実は数種類の工法があります。それぞれに向き・不向きがあるため、自分の家に合った方式をまず理解することが重要です。
主な屋根工法
工法 | 特徴 | DIY向き度 |
---|---|---|
横葺き(金属横葺き) | 横方向にビス固定していく工法。見た目はシンプルで多くの住宅で採用されている。 | ◎ |
立平葺き(たてひらぶき) | ハゼと呼ばれる突起で屋根材を連結し、雨水の侵入を防ぐ。釘を表面に出さない構造。 | ○(要ハゼ締め道具) |
縦葺き(瓦棒葺きなど) | 下地構造を含めて施工の自由度が高いが、DIYにはやや難度が高め。 | △ |
整形済みの屋根材(プレカット品)を使用するなら「横葺き」がもっともDIY向きです。既製品には長さも加工済で、下地にビスで留めていくだけなので、設計ミスや寸法ミスも起こりにくいのが特徴です。
DIY施工に必要な道具一覧(基本編)
まずは、整形済みの金属屋根材をビスで取り付ける場合の「必須道具」を整理しましょう。必要なものは意外とシンプルです。
必須工具リスト
道具名 | 用途 |
---|---|
インパクトドライバー(+ビット) | 屋根材のビス固定に必須。DIYではコードレスが扱いやすい。 |
スケール(5.5m以上) | 長尺材の寸法測定に。屋根幅を正確に把握する。 |
墨出し用チョークライン | 板金の位置を直線で墨出しできる。ズレのない施工に必須。 |
水平器 | 勾配・傾きチェック。ずれた屋根は雨水が溜まり雨漏りの原因に。 |
軍手・革手袋 | 板金材のエッジは非常に鋭い。安全のため必須。 |
フルハーネス安全帯 | 2022年法改正以降、2m以上の高所作業ではフルハーネスが原則。 |
加えて、「屋根用脚立」や「風速5m以上では作業中止」など、基本的な高所作業の安全ルールも必ず守りましょう。
板金作業に必要な専用工具と選び方
板金鋏(SLD柳刃)の選び方
板金鋏は「切れ味」と「手のサイズに合うかどうか」が重要です。以下のようにサイズ展開があります。
呼び寸法 | 全長 | 重量 | 特徴 |
---|---|---|---|
232mm | 約330g | 軽量・取り回し良好。女性や細かい作業向き。 | |
265mm | 約450g | 汎用性が高く男女兼用に最適。 | |
290mm | 約600g | パワー重視。直線切りに適しているが重く疲れやすい。 |
一般的な0.35~0.6mmのガルバリウム鋼板(JIS G3321規格)を扱うなら、265mm(通称240型)が最もバランスが良く、DIYにも向いています。
盛光 本職板金鋏 SLD柳刃 240mm HSLD0124
ツカミ(金属用ハンドシーマー)の選び方
ツカミは、板金材を90度に折り曲げたり、エッジをきれいに整形するのに使います。選ぶ際のポイントは「口幅」です。
幅 | 向いている用途 |
---|---|
90mm | 広い面を一気に折れる。職人がよく使う。 |
70mm | 狭い場所や役物処理に向いている。DIYでも使いやすい。 |
おすすめの使い分け:
- 「屋根全体を自分で施工する」→ 90mmをメインに
- 「谷や棟など狭い場所の処理が多い」→ 70mmが便利
両方揃えておけば完璧ですが、一本選ぶなら汎用性の高い「90mm」で問題ありません。
中編|防水・下地・固定資材の選び方と屋根の施工ステップ
ビスの選び方と固定方法:目に見えない安心の要
屋根の固定には「板金用ビス」を使用しますが、選び方ひとつで耐久性が大きく変わります。DIYでは「カラー付き・ゴムパッキン付き」のものを強く推奨します。
板金用ビスの条件
- ゴムパッキン付き(EPDM):雨水の侵入を防ぎます。
- カラー付き(屋根材と同色):見た目もスッキリ。紫外線劣化を防止。
- 材質:ステンレスまたはドブメッキ:錆びにくいことが重要。
【目安】1枚の屋根材(幅600mm × 長さ2000mm)あたり、ビスは10~12本を等間隔で打ちます。
屋根全面では100本以上必要になることもあるので、余裕を持って準備しましょう。
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防水処理:雨漏りさせないための最重要ポイント
どれだけきれいに取り付けても、「継ぎ目」「端部」「棟」「ケラバ」「谷部」などから雨が入れば意味がありません。そこで登場するのが「シーリング材」と「防水テープ」です。
シーリング材の種類と選び方
- 変成シリコン系(MS系):金属・木材に対応、紫外線に強く、屋外に最適。
- シリコン系は非推奨:金属や塗装面には密着性が弱く、はがれるリスクがある。
【おすすめ用途】棟包みやケラバの仕上げ、端部やカット面の処理に。
セメダイン 変成シリコンシーラント(グレー)
防水テープ
- ブチルゴムテープ:気密性が高く、長期安定性も抜群。
- 屋根材の重ね部・谷部・ケラバ下地に貼ると雨水対策◎
屋根の下地と必要な確認事項
下地の条件(構造用合板または野地板)
整形済み屋根材をビス留めする場合、必ず下地が「構造用合板(厚さ12mm以上)」であることを確認してください。
腐朽・たわみ・抜け節があると強度が確保できず、ビスが効かない=台風などで飛ぶリスクが上がります。
【参考】構造用合板の基準(JAS規格):F☆☆☆☆品/12mm厚/910×1820mmサイズが標準。
実践編|板金屋根の取り付けステップ(横葺きの場合)
ここではもっともDIYに適した「金属横葺き屋根」の取り付け手順を、ステップバイステップで解説します。
ステップ1:道具・材料の準備と天気チェック
- 風速5m/s以下で、雨予報なしの日を選ぶ(風で屋根材が飛ばされると危険)。
- 屋根上に物を落とさないよう、ツールポーチかマグネットトレーを用意。
ステップ2:下地とルーフィング(防水シート)施工
- 野地板の上に「改質アスファルトルーフィング」を貼る(軒先から上へ)。
- 重ね幅は100mm以上。タッカーかルーフィング用ビスで仮止め。
【DIYポイント】屋根用タッカーは安価で軽く、作業しやすい。
ステップ3:墨出し(基準線)を引く
- チョークラインで「屋根材の基準ライン」を引く。
- 最初のラインがずれると、すべての屋根材が歪んでしまうので慎重に。
ステップ4:屋根材の仮置きとカット(必要時)
- 長さ調整が必要な場合は「金鋏(SLD柳刃)」で切断。
- 切断面には「防錆スプレー」を必ず塗布。
ステップ5:ビス留め(中から外へ、下から上へ)
- 屋根材の中央を基準に、両サイド均等にビスを打つ。
- ビス間隔は300~400mm、端部は200mm以下。
- ビスは「締めすぎず、緩すぎず」。パッキンがわずかに潰れる程度が適正。
ステップ6:棟包み・ケラバなど役物の取り付け
- 役物(やくもの)とは屋根の端部や山部を覆う仕上げ材。
- 専用の既製品を使うときれいに仕上がる。
- シーリングとビス留めでしっかりと固定。
高所作業の安全対策まとめ
- 作業高2m以上 → フルハーネス+親綱必須(労働安全衛生法施行令第12条)
- 足場がない場合 → 専用の屋根用はしごや屋根足場を使う
- 天気急変に備え → ブルーシートを常備(固定用ロープ付き推奨)
DIYでも命に関わる作業です。安全対策を「やりすぎるくらい」でちょうどいいと思ってください。
後編|トラブル事例・メンテナンス・費用・Q&A・工法の比較まで
施工後に起こりがちなトラブルとその防ぎ方
DIYでもプロでも、「屋根」は想像以上にシビアな施工が求められます。以下に、よくある失敗とその対策を紹介します。
よくあるトラブルと原因
トラブル | 原因 | 対策 |
---|---|---|
雨漏り | ビスの締め過ぎ/パッキン潰れすぎ/シーリング不足 | 適正トルクでビス留め、端部・重ね部には必ず防水処理 |
風ではがれる | ビス間隔が広すぎる/下地の劣化 | ビスは端部200mm、中央部300~400mm以内、下地補強 |
音がうるさい | 屋根材が下地に密着していない | ルーフィングと下地をしっかり圧着、屋根材もビス打ち増設 |
雨仕舞の要点:「水は重力に従って入ってくる」
- 水は「逆勾配」「隙間」「毛細管現象」などで侵入します。特に「重ね部分」の水上側にシーリングをしてしまうと水が抜けず、逆に内部に侵入しやすくなります。
- 絶対に「水下(下方向)」に水を逃す構造を意識してください。
屋根材のメンテナンスと耐用年数
ガルバリウム鋼板のような板金屋根は「耐候性が高く、メンテナンスが少ない」ことが特長です。
メンテナンス内容
項目 | 頻度 | 内容 |
---|---|---|
目視点検 | 年1回 | ビスの緩み、サビの有無、シーリングの劣化確認 |
シーリング補修 | 10年ごと | ひび割れ箇所を再施工 |
再塗装(カラーGL鋼板など) | 15~20年ごと | 紫外線による褪色防止・美観維持 |
【耐用年数の目安】
- ガルバリウム鋼板:25~30年(JIS G3321準拠)
- ZAM鋼板(高耐久鋼板):30年超えも期待可
- カラーステンレス:40年超え(高価)
DIYにかかる総費用目安(例:6坪分の屋根張り替え)
項目 | 金額(目安) |
---|---|
屋根材(ガルバ鋼板整形済) | 約5,000円/㎡ × 20㎡ = 10万円 |
ビス・シーリング材等 | 約1万5,000円 |
工具(初期投資) | 約3~4万円(インパクト・鋏・ツカミ含む) |
安全装備(フルハーネス等) | 約1万5,000円 |
合計 | 約16~17万円(既存撤去がない場合) |
プロ施工の相場(同規模)では30~40万円かかることが多いため、材料費+工具投資のみで完了できるDIYは非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
よくある質問(DIY初心者Q&A)
Q. 雨が降ったら作業は中断すべき?
→ はい、必ず中断してください。濡れた屋根材は滑りやすく、ビスが効きにくくなり、シーリングの密着も落ちます。風速5m/s以上や雨天時は即中止。
Q. 片流れ屋根に立平葺きは使える?
→ 可能ですが、「ハゼ締め工具」が必要になります。さらに、雨仕舞が複雑な場合があるため、横葺きが無難です。
Q. 下地がベニヤ板でも施工できる?
→ 構造用合板(JASマーク付き)であればOK。家具用の合板やベニヤは強度不足のため不可。
Q. シーリング材はコーキング剤でもいい?
→ 一般的な「シリコンコーキング」は屋根用途には不適です。必ず「変成シリコン系(MS系)」の屋外耐候品を使用してください。
海外の先進的DIY屋根工法もチェック
欧米ではDIY向けの「クリップ式金属屋根材」や「スナップロック式」の立平葺きが普及しつつあります。
特にアメリカでは、「standing seam panels(スタンディングシーム)」の中でも、ネジを打たずにハメ込むだけの工法があり、ビスレスで雨仕舞が安定するのが特長です。
残念ながら日本ではまだ流通が少ないですが、将来的に輸入が進めばDIYの選択肢がさらに増えるでしょう。
まとめ|板金屋根DIYは安全対策と道具が命
板金屋根のDIYは「設計図面がなくても、整形済み屋根材でパズルのように組み上げる」作業です。
もちろん注意すべきポイントも多いですが、
- 「道具を正しく選ぶこと」
- 「施工手順を守ること」
- 「安全対策を徹底すること」
この3つを守れば、素人でも十分に達成可能です。
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