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日本の住宅の建築の基本的な特徴

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みなさんこんにちは、DIY Renovaです。

日本の住宅って、海外の人から見ると「なんでこうなってるの?」ポイントがかなり多いです。
木造2階建てが多い理由、都心のペンシルハウス、鉄筋コンクリート造の家を選ぶ人のイメージ……セルフリノベ好きにとっても、まず「日本の住宅の前提」を押さえておくのはすごく大事ですよね。

この記事では、日本の住宅の基本的な特徴を、欧米や韓国などの主要国と比べながら整理しつつ、セルフリノベ視点で「ここを知っておくとDIYがやりやすくなる」というポイントをまとめていきます。

そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!

それでは、どうぞ。


日本の住宅の「ふつう」をざっくり整理する

木造が主役だが、すべてが木造ではない

日本の新築住宅の着工統計を見ると、今でもおおよそ半分強が木造住宅です(約55%が木造というデータが報告されています)CBL
さらに詳細な建築統計では、「戸建て住宅」に限ると、その約9割が木造という報告もありますiibh.org

ここでいう木造は、大きく分けて二つです。

  • 在来軸組工法(柱と梁でつくる、伝統的な木造+金物強化型)
  • 枠組壁工法(いわゆるツーバイフォー)

どちらも「木の柱や壁で建物の骨組みをつくる」点は共通ですが、力の伝わり方が違います。
在来は柱・梁・筋交い(斜めの部材)で地震力を逃がし、ツーバイフォーは面(合板など)で地震に抵抗する仕組みです(木造住宅は軽量で復元力が高く、地震エネルギーを吸収しやすいとされています)IISEE

一方、都市部のマンションや一部の戸建ては、

  • 鉄筋コンクリート造(鉄筋コンクリート)
  • 鉄骨造(軽量・重量鉄骨)

が主流です。鉄筋コンクリート造は「重いが強い・耐火性や遮音性が高い」、鉄骨造は「軽くてスパンを飛ばしやすい(大きな開口を取りやすい)」といった特徴がありますhokushinfudosan.co.jp

階数は2階建てが基本、都市部では3階建てが増加

全国レベルで見ると、木造の戸建ては2階建てが圧倒的に多く、1階建て平屋も一定数あります。3階建ては、土地が高い都市圏での比率が高いです(住宅・土地統計調査では、建物階数別の戸建て分布が公表されています)e-Stat

とくに東京都心部などでは、敷地30〜50㎡程度に3階建てを載せた「細長い戸建て」が多く、これがいわゆる「ペンシルハウス」と呼ばれるタイプの源流になっています。

延床面積と住まいのスケール感

都市部の分譲マンション・戸建てを含めた平均的な住戸規模は、例えば東京では60〜70㎡前後というデータがありますE-Housing
一方、郊外や地方都市では、延床面積100〜140㎡程度の木造2階建てが一般的で、「庭付き・駐車場付き」のいわゆる郊外型住宅も多く見られます。

比較として、

  • 日本:1人あたり床面積は約35㎡程度
  • アメリカ:1人あたり約67㎡程度

といった国際比較が紹介されることもあり、日本は「一人あたりのスペースは欧米よりコンパクト」という傾向が見られますE-Housing


日本と主要各国の住宅のちがいをざっくり比較する

ここからは、ざっくり「日本と他の国」の違いを、セルフリノベに関係しそうな観点で整理してみます。

材料のちがい

おおまかな傾向としては、次のようにイメージするとわかりやすいです。

  • 日本
    • 戸建て:木造が主役(戸建て住宅の約9割が木造)iibh.org
    • 共同住宅:中高層は鉄筋コンクリート造が中心
  • アメリカ
    • 戸建て:日本と同じく木造が多いが、2×4などの軽量木造が標準
    • 共同住宅:鉄筋コンクリート造や鉄骨造
  • 西ヨーロッパ
    • 戸建て・低層:レンガ・ブロック・石造+鉄筋コンクリートなどの組み合わせが多い
    • 断熱・気密は日本より厳しい国が多い(寒冷地が多いため)
  • 韓国・中国都市部
    • 高層集合住宅(鉄筋コンクリート造)の比率が非常に高い

日本は「木造戸建て」と「鉄筋コンクリート造のマンション」がはっきり二極化しているのが特徴ですiibh.org
一方で、イギリスやドイツなどでは「レンガ造+2〜3階建ての連棟住宅」が多く、日本のような「単独の木造戸建て」が密集する街並みは、実はかなり日本固有の風景でもあります。

住宅タイプ(戸建て・連棟住宅・マンション)の構成

OECDの住宅ストック統計では、各国を「戸建て」「連棟住宅(テラスハウスなど)」「集合住宅」に分類して比較していますwebfs.oecd.org
その中で日本は、

  • 戸建て(単独の家屋)
  • 集合住宅(マンション・アパート)

の比率が比較的バランスしており、連棟住宅(テラスハウスなど)の比率は2020年代前半のデータでは1割未満とされていますwebfs.oecd.org

イギリスやオランダのように「細長いレンガ造のテラスハウスがズラッと並ぶ街並み」は、日本ではあまり一般的ではありません。

耐震設計の考え方

日本の建築基準法は、1924年から地震力を考慮した構造計算を義務づけており、世界でも早い段階から耐震設計が制度化されていますkoike.g1.xrea.com
現在の基準は「震度6〜7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないこと」を目標にした耐震設計になっておりプロセブン、法律上は木造も鉄筋コンクリート造も同じレベルの耐震性能を確保することが求められています。

木造住宅は、

  • 軽いので地震力が小さくなる(地震力は「建物の重さ×揺れの加速度」で決まるため)
  • 柔らかく変形してエネルギーを吸収しやすい

といった利点があり、日本の「木造2階建てが多い」背景には、こうした地震国ならではの事情もありますIISEE


都市部で増えているペンシルハウスとは何か

ペンシルハウスの定義と実態

「ペンシルハウス」という言葉に明確な法律上の定義はありませんが、不動産業界ではだいたい次のようなイメージです。

  • 敷地面積が50㎡未満
  • 間口が2〜4m程度と細長い
  • 3階建ての木造または鉄骨造
  • 自宅+ビルトインガレージの組み合わせが多い

東京都心の新築戸建てでは、こうしたペンシルハウスが全体の約1〜2割を占めるという紹介もあり、2018年以降、細長い敷地での3階建て新築戸建ての比率が増えている、というレポートも出ていますlinkedin.com

なぜペンシルハウスが増えたのか

理由はシンプルで、「土地が高いから」です。

  • 都市部では土地価格が非常に高い
  • それでも「戸建てで暮らしたい」ニーズがある
  • 細分化された変形敷地が市場に出回る
  • 法規ギリギリまで建てるために、3階建ての細長いプランになる

とくに、道路斜線や隣地斜線などの制限の中で、日当たりと延床面積を両立しようとすると、「細くて背の高い」形が合理的になっていきますiibh.org

セルフリノベ的に見るペンシルハウスのポイント

ペンシルハウスをDIYでいじるときに意識したいのは、

  • 「階段」と「耐力壁」が縦方向に並びがち
    → 階段位置を動かす工事は、構造上かなり大がかりになりやすい
  • 外壁がすぐ隣家に接していることが多く、窓や開口の追加は防火規制に引っかかりやすい
  • 3階建て木造は、2階建てよりも構造計算が厳しく管理されている(耐力壁や柱を抜く工事は、必ず構造設計者レベルの確認が必要)

という点です。
逆に、内装レベルのセルフリノベ(壁紙・床材・造作家具など)は、縦に長い空間をうまく使いこなす楽しさがあります。


木造住宅と鉄筋コンクリート造住宅のちがいと選ばれ方

木造戸建てを選ぶ人のイメージ

日本でマジョリティなのは、やはり木造の戸建てです。とくに、

  • 子育て世帯の郊外戸建て
  • 地方都市の実家・二世帯住宅
  • セルフビルドやセルフリノベと相性のよい中古戸建て

などはほぼ木造と言ってよいぐらいの比率ですiibh.org

木造を選ぶ理由としては、

  • 建設コストが比較的安い(同じ規模ならRC>鉄骨>木造の順に高くなるという統計があります)アーキブック
  • 間取り変更の自由度が高い(とくに在来軸組工法)
  • 木の質感や「日本的な住まい方」と相性がよい

といった点が挙げられます。

鉄筋コンクリート造の住宅を選ぶ人のイメージ

鉄筋コンクリート造の住宅は、戸建てとしては少数派ですが、

  • 都市部の高級住宅地に建つ「重厚な家」
  • 店舗+住宅の併用住宅
  • 投資用賃貸マンション

として選ばれることが多いです。
RC造は、

  • 耐火性が高い
  • 遮音・遮熱性能を高めやすい
  • 正しくメンテナンスすれば耐用年数が長い(投資物件としてのメリット)

といった利点があり、不動産投資家向けの資料でも「長寿命・低メンテナンス性」が強調されていますhokushinfudosan.co.jp

一方で、

  • 建設コストが高い
  • 間仕切りを動かす内装リノベはしやすいが、構造体に手を入れるのは非常に難しい
  • 自分で穴をあけるにも「鉄筋」を切断してしまうリスクがある

など、セルフリノベの自由度は木造よりも低くなりがちです。

構造と寿命の考え方

日本では、戸建て住宅を建て替える平均築年数はおよそ37年とされていますオープンハウスグループ
これは「構造的な寿命」というより、「ライフスタイルや価値観が変わるスピード」が早く、税制や不動産慣行も「建て替え」を前提に動いてきた歴史によるものと考えられています。

近年は、

  • 長期優良住宅
  • ZEH(ゼロエネルギーハウス)
  • 高断熱高気密住宅

など「長く使う前提の家づくり」が政策として推進され、木造住宅が炭素を固定したストックとして評価される研究も増えています(平均的な木造住宅1棟で約6トンの炭素を貯蔵しているとの推計もあります)サイエンスダイレクト
セルフリノベ目線では、「古いから壊す」ではなく、「古い木造を直して長く使う」という選択肢が、環境面でも合理的になりつつあると言えます。


セルフリノベを考える人向け「日本の住宅を読む」実用チェックポイント

ここからは、実際に物件を探したり、これから自宅をセルフリノベしようとしている人向けに、「日本の住宅の前提」を見抜く簡単チェックをまとめます。

不動産広告のどこを見れば構造がわかるか

物件情報には、たいてい次のような表記があります。

  • 構造:木造・軽量鉄骨造・RC造・SRC造 など
  • 階数:地上2階建て・3階建て
  • 用途地域:第一種低層住居専用地域 等
  • 築年数:1981年6月以降かどうか(新耐震基準の境目)

セルフリノベ初心者なら、まずは次のように考えると安全です。

  • 「木造2階建て・1981年以降の新耐震」
    → DIYとの相性がよく、構造的にも基準が明確
  • 「木造3階建て」
    → 内装DIYはOKだが、間取り変更は構造設計者に必ず相談
  • 「RC造・SRC造」
    → 壁・天井に大きな開口を追加するのは基本的にNG。内装リフォーム中心に考える

耐震基準の境目(旧耐震・新耐震)については、建築基準法とその施行令の改正で、1981年以降、二段階耐震設計などが導入されたことが背景にありますiibh.org

海外の人が日本の家を借りる・買うときに押さえたいツボ

海外の読者向けに、よくあるギャップも整理しておきます。

  • 「木造=弱い」というイメージは、日本では必ずしも当てはまらない
    → 日本の木造住宅は、地震を前提に設計されており、耐震壁や接合金物の性能が重視されていますIISEE
  • 戸建てでも断熱性能はピンキリ
    → 欧州のような厳格な断熱義務が導入されたのはごく最近で、築年数により快適性は大きく変わります。
  • 屋内の寸法がコンパクト
    → ドア高さ、階段の段差、天井高さなどが欧米より小さいことがあり、高身長の人は図面だけでなく内見が必須。

こういったポイントを理解しておくと、「なぜこの家はこうなっているのか」を受け止めやすくなり、セルフリノベの計画も立てやすくなります。

DIYと法律の最低限のライン

日本では、建築基準法が「建物の安全を守る最低ライン」として存在しています日本法令翻訳。セルフリノベでも、次のような点は必ず守る必要があります。

  • 構造耐力上主要な部分(柱・梁・耐力壁・基礎)を勝手に撤去・切断しない
  • 防火地域・準防火地域では、外壁や開口部の仕様に制限がある
  • 増築や用途変更によって、延床面積や用途が変わる場合は、確認申請が必要になることがある

逆に、

  • 内装仕上げ(壁紙・塗装・フローリングの上貼り)
  • 造作家具や棚
  • 設備機器の交換(法的に届出がいらない範囲)

といった工事は、セルフリノベで手を出しやすい領域です。


まとめ:日本の住宅を理解するとセルフリノベがぐっと楽しくなる

ここまでの話をざっくりまとめると、こうなります。

  1. 日本の戸建て住宅は「木造2階建て」が主役
    • 戸建ての約9割が木造で、地震に対しては歴史的に厳しい基準が適用されている。
  2. 都市部では「ペンシルハウス」のような細長い3階建て木造が増加
    • 土地価格の高さと法規の制約の中で生まれた、日本ならではの住宅タイプ。
  3. 鉄筋コンクリート造の住宅は、戸建てとしては少数派だが、長寿命・耐火性・遮音性などの理由から選ぶ人もいる
  4. 欧米と比べると、日本の家は「木造戸建て+RCマンション」の二極構造で、一人あたりの床面積はコンパクト
    • これがペンシルハウスや狭小住宅の文化を生んでいるE-Housing
  5. セルフリノベでは、「構造」「法規」「築年」といった前提を理解してから計画することが重要
    • とくに木造3階建てとRC造は、構造いじりの難易度が高いので、専門家との協働が前提になる。

日本の住宅を「ちょっとクセのある地震国仕様の家」として理解しておくと、セルフリノベで手を入れるときの発想も変わってきます。
海外の人にとっても、日本の木造住宅は「軽くてしなやかで、うまく付き合えば長く住める」存在ですし、断熱改修や耐震補強を組み合わせることで、サステナブルな住まい方の実験場にもなりえます。

これからセルフリノベを考えている方は、

  • まずは不動産広告で「構造・階数・築年」をチェック
  • 図面を見ながら「どこが骨で、どこが肉か」をざっくり把握
  • 法規と構造の入門書を一冊+お気に入りのDIY工具セットを用意

という三点セットから始めてみると、「日本の家」との付き合い方がかなりクリアになるはずです。

そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!

それでは、また別の記事で。


参考文献・参考サイト(敬称略)

※順不同です。リンク先は原著者・発行元の著作物ですので、興味のある方はぜひ原典に当たってみてください。

  • 総務省統計局「住宅・土地統計調査 2023」e-Stat
  • Ministry of Internal Affairs and Communications, Housing and Land Survey 2023, Table 2 “Dwellings by Type of Building, Construction Material and Stories of Building”e-Stat
  • 国土交通省・一般財団法人日本建築センターほか「Building Control in Japan」iibh.org
  • Tomohiro, M. H. “Introduction to the Building Standard Law”koike.g1.xrea.com
  • OECD (2024), “HM1.5 Residential stock by dwelling type”, OECD Affordable Housing Databasewebfs.oecd.org
  • CBL, “A Quick Look at Housing in Japan” (2024)CBL
  • e-housing.jp “What a Typical Japanese Home Really Looks Like” (2025)E-Housing
  • Yamashita, N. et al. “An interlinked dynamic model of timber and carbon stocks in Japan’s buildings” (2024)サイエンスダイレクト
  • Archi-book.com “Detached Residence Construction Cost in Japan 2021”アーキブック
  • 北辰不動産「Why Reinforced Concrete (RC) Residential Building is …」hokushinfudosan.co.jp

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