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第二種電気工事士の資格を持ってるとできる住宅DIY【セルフリノベ】

はじめに

「第二種電気工事士の資格を持っているけれど、どんなDIYができるのか知りたい」「自宅のリフォームやリノベーションで電気工事を自分でやってみたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。自宅の改装を行う際、電気工事は非常に重要なポイントになります。しかし、無資格での電気工事は法律違反となってしまう可能性があり、また安全面でも大きなリスクがあります。

そこで「第二種電気工事士」の資格を活かして、どのように住宅DIYを行うことができるのかを詳しく解説していきます。この記事を読むことで、自宅の電気回りのDIYを行う際の注意点や手順、具体的にどんなことが可能なのかといった情報を得ることができます。

あわせて「そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!」という情報も必ずチェックして、自分で行う範囲とプロに任せるべき範囲の切り分けを明確にしておきましょう。

本記事ではSEO対策も考えながら、電気工事にまつわる基礎知識はもちろん、住宅DIYに応用できる具体的な作業や注意点まで幅広く紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、自分の手で快適な住まいを実現するヒントをつかんでみてください。


電気工事士とは?(第二種電気工事士)?

まずは「第二種電気工事士」がどのような資格なのかを整理しておきましょう。「第二種電気工事士」は、一般家庭や小規模店舗など600V以下で受電する設備の工事を行うことができる国家資格です。具体的には、家庭内の電気配線工事、コンセントやスイッチの交換、分岐回路の増設、照明器具の取り付けなどが認められています。

一方で、受電設備(引込線や電力メーターなど)に関する工事や高圧電気設備(キュービクルなど)に関する工事は、基本的に「第一種電気工事士」または電気主任技術者、もしくは電気工事業の資格を持つ業者が行う必要があります。たとえ「第二種電気工事士」であっても、すべての電気工事ができるわけではありません。自宅DIYで行える作業範囲と、専門家に依頼すべき作業範囲をしっかり区別することが重要です。


第二種電気工事士の資格を持つメリット

「第二種電気工事士」の資格があると、住宅内の電気工事DIYにおいて大きなメリットを得られます。以下に、具体的な恩恵をいくつか挙げてみます。

  1. 「合法的に配線工事ができる」
    • 法律的に認められていない無資格の人が電気工事を行うと、感電や火災などのリスクが高まるだけでなく、法的問題にも発展する可能性があります。「第二種電気工事士」を持っていることで、資格の範囲内であれば安心して配線工事を行うことができます。
  2. 「コストダウンにつながる」
    • 電気工事を業者に依頼すると、どうしてもそれなりの費用がかかります。特に複数箇所の工事やリフォームの場合、まとめて業者へ依頼すると高額になりがちです。自分で施工できる範囲をDIYで行うことで、トータルのリフォーム・リノベーション費用を抑えることができるでしょう。
  3. 「工事の自由度が高まる」
    • 業者に依頼すると、施工日時や工事内容を細かく打ち合わせしなければなりません。また、業者の都合によっては希望するスケジュールで工事が進まないこともあります。DIYであれば、自分のペースで好きなタイミングに工事を進めることができ、リフォーム計画も柔軟に立てやすくなります。
  4. 「実用的なスキルが身につく」
    • 資格を持っていることで自宅の電気設備に関心が向きやすくなるだけでなく、いざトラブルが起きたときにも自分で原因を突き止めたり修理を施したりしやすくなります。また、家族や友人からの簡単な電気工事の相談に乗ることもできるでしょう。

DIYを始める前に知っておきたい基礎知識

1. 法律・規制の理解

「第二種電気工事士」を持っていたとしても、どこまで工事できるかは電気事業法や関連法規で制限されています。「自宅の単相交流100V・200Vの配線や機器の取り付け」は比較的自由に行えますが、電力メーター周りや高圧受電設備などは資格外となります。リフォームの計画を立てる際には、施工範囲をしっかりと確認しておきましょう。

2. 安全対策と保護具

DIYとはいえ、電気工事には感電や火災のリスクがつきまといます。必ず事前に分電盤のブレーカーを落とす、電圧をテスターで確認するなどの基本的な安全対策を行いましょう。また、保護メガネや絶縁手袋、絶縁ブーツなど、必要に応じた保護具を着用して作業に臨むことが大切です。

3. 使用する工具のチェック

電気工事用の工具セットとして、ドライバー、ペンチ、ニッパー、ワイヤーストリッパー、テスターなどは必需品となります。特に絶縁ドライバーなどの「絶縁工具」を使用することで感電リスクを大幅に減らせるので、DIYであってもケチらず良質なものを揃えましょう。

4. 配線図を理解する

スイッチやコンセントを増設・移設する場合、既存の配線図を把握しておくとスムーズです。新築やマンションであれば施工時の図面が残されているケースもありますし、中古住宅の場合でも購入時やリフォーム時の図面を確認しておくとよいでしょう。配線図を読み解ければ、自分の家の回路構造を理解しやすくなり、トラブルを避けることができます。

5. 施工手順の確認

DIYでは行き当たりばったりで作業するのは危険です。作業前に「どの部屋のどのブレーカーを落とすのか」「新しい配線ルートをどこに設けるのか」「追加する器具は何か」など、手順を明確にしてからスタートしましょう。スケジュール管理や必要な部材の手配も重要です。


DIYプロジェクトの例

ここでは「第二種電気工事士」の資格を持つ方が自宅DIYで挑戦しやすい代表的な例を挙げてみます。どれも資格がないと不安な作業ですが、きちんと資格を活かして正しい施工を行うことで、安全性の高いリフォームが可能になります。

1. コンセント・スイッチの増設・移設

部屋のレイアウト変更や家具配置を変えた際に「コンセントの位置が使いにくい」「スイッチが遠い」と感じることはありませんか?そんなときは新たにコンセントを増設したり、スイッチを移設したりすると快適になります。ただし、壁の中に配線を通す作業や、分電盤から新規回路を引く場合は細心の注意が必要です。しっかりとした配線図と施工手順を用意しましょう。

2. 照明器具の交換・取り付け

古い照明器具をLED照明へ交換したり、新たにペンダントライトを設置したりする作業は、比較的DIYで取り組みやすい電気工事です。ただし、天井裏に配線を通す場合や直付け器具をシーリングタイプに変更する際には、住宅の構造に合わせた施工が求められます。また耐火性や熱の問題にも配慮し、火災のリスクを抑えるための部材選定を怠らないようにしましょう。

3. 屋外ライトや防犯センサーの取り付け

門灯やセンサーライトなどの屋外設備も「第二種電気工事士」の範囲内であれば取り付け可能です。ただし、屋外に配線を引き回す場合は「防水処理」や「耐候性」に十分配慮しなければなりません。雨水の侵入や紫外線劣化を防ぐ工夫が必要であり、施工不良があると漏電や火災の原因になる恐れがあります。

4. 分電盤の子ブレーカー増設

エアコンやIHクッキングヒーターなど、新しい大型機器を導入する際には専用回路が求められることがあります。こうした場合、分電盤の子ブレーカーを増設する作業は「第二種電気工事士」の資格で行うことが認められています。しかしながら、分電盤周りの工事はリスクが高いため、十分な配慮と正確な接続が必要です。特に200V機器を扱う際には注意が必要で、電圧・電流の計算を正しく行い、ケーブルの太さやブレーカーの定格を適切に選びましょう。

5. エアコンの配線・配管補助

エアコン自体の設置やガス配管の接続は専門業者の範囲となりますが、室内配線や専用コンセントの取り付けは「第二種電気工事士」であればDIY可能です。既存の配管ルートを利用して配線を通したり、壁に穴をあけてコンセントを増設したりすることで、エアコン設置場所の自由度が高まります。ただし、ガスや冷媒に関わる部分は有資格の空調設備業者に依頼するのが基本です。


必要な道具と材料

1. 絶縁工具

DIYとはいえ、電気工事で最も大切なのは安全性です。「絶縁ドライバー」「絶縁ペンチ」「絶縁ニッパー」といった道具をそろえておくと、感電リスクを大幅に低減できます。これらは少々高価ですが、一度購入しておけば長く使用できます。

2. テスター・検電器

回路が生きているかどうかを確認するために「テスター」や「検電器」は必須です。配線工事中に誤って通電状態の線を触れてしまうと感電だけでなく、火花が飛び散るなどの危険があります。作業前には必ずテスターで通電状況をチェックしましょう。

3. 配線材料

VVFケーブルや差込型コネクタ、露出配線用のモールなど、施工に合わせた材料を選ぶ必要があります。「VVFケーブル」は屋内配線用として広く使われ、「キャブタイヤケーブル」は屋外や可動部分に適しています。モールやPF管など、配線を保護するための部材も状況に応じて使い分けましょう。

4. ブレーカー・スイッチ・コンセント

部屋の回路を増やす場合は分電盤用の「子ブレーカー」、スイッチの交換や追加工事には「スイッチ・プレート」、コンセントの追加には「コンセント・プレート」などが必要です。形状や容量を確認し、既存の部材と互換性のあるものを選ぶことが大切です。

5. 各種固定具・結束バンド

壁や柱にケーブルを固定するための「ステップル」や「結束バンド」なども用意しておきましょう。しっかりと配線を固定することで、振動による断線や接触不良を防ぎ、安全性と耐久性を高めることができます。


安全上の注意

1. 必ずブレーカーを落とす

DIYで電気工事を行う際、最も重要なのは「作業する回路のブレーカーを落とすこと」です。間違えて別の回路のブレーカーを落としていて、実は作業する配線は通電していた…という悲惨な事故を防ぐためにも、事前のチェックは何度もしっかり行いましょう。

2. 配線の色や結線方式を守る

通常、日本の住宅用配線では「黒(または茶色)」が電源側、「白」が中性線、「緑または緑/黄」がアース線として使用されます。また、スイッチ回路では赤を使う場合もあります。結線方式(単相2線式、単相3線式など)や配線規格に従わないと、混線や感電事故の原因になるため注意が必要です。

3. 作業環境の確保

高い場所での作業は脚立やはしごを使用しますが、足元が安定していないと転落事故につながります。屋根裏や床下など暗い場所での作業なら、ヘッドライトや作業灯などを使って十分な視界を確保することが大切です。また、狭い場所での無理な姿勢での作業は、思わぬケガにつながる可能性があります。

4. 感電事故への備え

万が一感電してしまった場合、体が硬直して抜け出せなくなることがあります。作業は一人ではなく、必ず誰か近くに人がいる状態で行うのがベストです。もしものときに、ブレーカーを落としたり救急車を呼んでもらったりすることができるよう準備しておきましょう。

5. 万が一の火災・漏電対策

電気工事が原因で起こる火災や漏電は少なくありません。施工後に焦げ臭い匂いがする、ブレーカーが頻繁に落ちる、スイッチが異常に熱を持つなどの症状が現れたら、すぐに原因を調べる必要があります。最悪の場合は専門業者に相談し、無理にDIYだけで解決しようとしないことも大切です。


ステップ・バイ・ステップの例:新しいコンセントの追加

ここでは具体例として「コンセントの増設」を想定した簡単な手順を紹介します。細かい工事内容は住宅の構造や既存の配線状況によって異なるため、あくまでも参考程度にご覧ください。

  1. 「増設したい位置と電源を取る元となる回路を確認」
    • どの部屋のブレーカーを落とせば安全に作業ができるのか。既存の配線図や分電盤のラベル、テスターを使って把握しましょう。
  2. 「壁の内部を確認」
    • 増設位置を壁面にする場合、壁裏に胴縁や筋かいがあると配線を通しにくい可能性があります。ホールソーやジグソーで穴をあける前に、下地センサーなどで内部を確認してください。
  3. 「ブレーカーを落とす」
    • 作業する回路だけでなく、安全を期すために分電盤全体をオフにすることもあります。いずれにせよ、しっかり電気が遮断されていることをテスターで確認しましょう。
  4. 「既存回路から分岐を取る」
    • 分岐する場所としてはスイッチボックスや既存コンセントから取るケースが多いです。ケーブルを剥き、差込型コネクタやリングスリーブなどで正しく接続します。
  5. 「新規コンセントボックスを設置」
    • 壁の穴に合うようにコンセントボックスをはめ込み、ビス止めや石膏ボード用の金具で固定します。
  6. 「配線をコンセントに接続」
    • 「白」を中性線側、「黒または茶」を電源側に差し込みまたはネジ止めします。アースが必要なコンセントの場合は「緑」や「緑/黄」のアース線を接続しましょう。
  7. 「プレートを取り付け、ブレーカーを戻す」
    • 最後にコンセントプレートをはめて、分電盤のブレーカーをオンに戻します。通電を確認したら、実際に家電を接続し問題なく動作するかチェックしてください。

このように書き出してみると簡単に見えますが、実際には壁の中の状態を確認したり、ケーブルの長さを適切に確保したり、曲げ半径を守ったりと、さまざまな注意点があります。また、分電盤から直接新しい回路を引く場合は、子ブレーカーや漏電ブレーカーを適切に増設しなければならず、さらに複雑になる可能性があります。

ソーラーパネルについて

近年、環境意識や電気料金の高騰などを背景に、太陽光発電(ソーラーパネル)を住宅に取り付ける動きが盛んになっています。では「第二種電気工事士」があればソーラーパネルを自分で設置できるのかといえば、残念ながら完全に「DIYで自由に取り付けて良い」とは言い切れません。

1. 「ソーラーパネル設置の許可や手続き」

太陽光発電システムを設置する際には、パネルの配置や住宅の構造、地方自治体の条例や規定など、考慮すべき点が多岐にわたります。また、電力会社に余剰電力を買い取ってもらう場合(売電契約)には、系統連系の手続きが必要です。その際、取り付け工事が正しく行われているかどうかを証明するための書類提出が求められることもあります。これらのプロセスは素人のDIYだけでは難しく、通常は太陽光発電の施工実績を持った業者が対応します。

2. 「直流回路とパワーコンディショナ」

ソーラーパネルは直流(DC)の電気を発生させますが、家庭内で使用するためにはパワーコンディショナ(インバータ)を用いて交流(AC)に変換し、分電盤に接続します。分電盤に接続する部分は交流回路ですので、第二種電気工事士の資格で施工可能な範囲に入る場合がありますが、その前段階である直流回路やパネル自体の設置は、高所作業や防水、荷重計算などさまざまな専門知識が必要となります。

3. 「結論:ソーラーパネルは資格だけでは難しい」

結論としては、「第二種電気工事士」の資格があれば家庭用太陽光発電の一部周辺工事(分電盤への接続や配線の確認など)を自身で行うことは可能になり得ますが、ソーラーパネルそのものの設置に関しては、構造面や申請手続き、さらには屋根上の安全対策といった要素が絡み合うため、DIYで完結するにはハードルが高いと言えます。特に売電契約を想定しているのであれば、信頼できる業者に依頼するのが一般的です。


専門家に相談するタイミング

「第二種電気工事士」の資格があれば多くの住宅内電気工事はDIYで行うことができます。しかし以下のようなケースでは、専門業者や「第一種電気工事士」、あるいは電気主任技術者に相談するのが安全です。

  1. 「分電盤や引込線に近い部分の改修」
    • 分電盤自体の大きな変更や、電力メーター、引込線周りの工事は原則として電気工事業者でないとできません。誤った施工は大規模な停電や火災など重大な事故につながります。
  2. 「高圧受電設備や特殊設備」
    • 一般家庭での高圧受電は少ないですが、事業用などでは高圧設備を扱うこともあります。そういった場合は「第二種電気工事士」の範囲を超えており、専門資格が必要です。
  3. 「リフォーム規模が大きい場合」
    • 壁や天井を大きく解体する必要がある大規模リフォームでは、電気工事だけでなく構造補強や配管・配線など多岐にわたります。電気だけなら対応できても、他の施工との兼ね合いでプロに任せる方が結果的に安全でスムーズなケースが多いです。
  4. 「不安を感じる場合」
    • いくら資格を持っていても、作業に不慣れだったり、設備の状況が複雑だったりして不安を感じる場合には、無理をせず専門家を呼びましょう。DIYで完結できる部分と、業者に頼む部分を賢く切り分けることで失敗リスクを大きく減らせます。


おわりに

「第二種電気工事士」の資格を持っていると、自宅の電気工事におけるDIYの幅が格段に広がります。コンセントやスイッチの増設、照明器具の交換、防犯センサーの取り付けなど、日常生活を快適にする工夫を自分自身の手で実現できるのは大きな魅力です。また、工事を外部に依頼する費用を削減できるだけでなく、電気に関する知識が深まるのもメリットと言えるでしょう。

一方で、施工範囲を誤ると法律違反になったり、事故や火災のリスクを高めたりする恐れがあります。リフォームやリノベーションを大規模に行う場合は、電気工事の範囲以外でも建築基準法や消防法などの規制が絡んでくることを忘れないようにしましょう。安全第一を念頭に、十分な下調べと計画を行うことが大切です。

特に以下の点には注意してください。

  • 施工前には必ずブレーカーを落とし、テスターで通電状況を確認する
  • 法律や施工規格を守る
  • 適切な工具・部材を使用し、安全対策を怠らない
  • 自分の力量を超える施工内容は無理をせず専門家に依頼する

「第二種電気工事士」の資格を活かし、自分の手で理想の住まいを実現していく楽しさは格別なものがあります。ぜひ安全第一で、充実したDIYライフを送ってください。もし作業中や完成後に少しでも異変を感じたら、迷わず専門業者に相談することをおすすめします。

そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!

住宅DIYをうまく活用し、より快適な暮らしを手に入れるための第一歩として、本記事の内容がお役に立てば幸いです。資格を正しく活かし、楽しく安全な住宅リフォーム・リノベーションを実践してみてください。

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