みなさんこんにちは、DIY Renovaです。
在来工法の浴室は、ユニットバスと違って「浴槽+床の防水+立ち上がり(壁際)+排水配管」が現場で一体になっています。だから解体も、ただ浴槽を割って運ぶだけでは終わりません。
この記事では「浴槽撤去」をテーマに、周辺を壊しすぎず、次の工事(配管更新・床組みや土間再施工)につなげるための解体手順を、素人DIYでも再現できる粒度でまとめます。
※日本の木造住宅(最大2階)想定です。電気・給排水の法令や資格が絡む作業は、DIYでできる範囲と業者領域を分けて記載します(ただし技術的な内容は省略しません)。
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また、本資料が必ず正しいということではなく、あくまで参考情報としてみてくださいね。
解体後のユニットバス化については別途記事にまとめていますので下記をご覧ください。
それでは、どうぞ。
在来工法の浴槽は「何でできているか」を最初に特定する
解体方法は素材でほぼ決まります。まず浴槽の種類を見分けます。
よくある浴槽素材と特徴(見分けポイント)
- FRP(繊維強化プラスチック)
- 表面がツルっと光沢。叩くと「コツコツ」軽い音。薄めで軽い。
- 1970〜2000年代に多い。
- 人造大理石(アクリル/ポリエステル系)
- FRPより重く、叩くと「コンコン」鈍い。厚みがある。表面が硬い。
- ホーロー(鋼板+ガラス質)
- 磁石がくっつく。重い。欠けると金属が見える。
- ステンレス
- 金属音がする。磁石は製品で差。薄いが意外に剛性がある。
「磁石が付くか」だけで、FRP系と金属系がほぼ分かれます。浴槽を割るか、丸ごと出すかの判断に直結します。
施工順序(全体像)
在来浴槽の解体は、次の順序が安全で失敗が少ないです。
- 事前確認(給水・給湯・排水・電気の遮断と残水抜き)
- 養生・搬出動線の確保(粉じん・破片対策)
- 周辺の「干渉部材」を外す(エプロン/点検口/周囲の壁下端など)
- 排水トラップ・配管の切り離し(ここが一番つまずきやすい)
- 浴槽本体の撤去(割る or そのまま)
- 床・防水層・下地の撤去(必要範囲だけ)
- 清掃・乾燥・記録(次工程のための写真・寸法取り)
- 分別・仮置き・搬出
この順序を崩すと「水が逆流する」「壁を余計に壊す」「床下に破片が落ちる」などが起きやすいです。
必要な材料の数量の割り出し方(養生・処分の見積もり)
解体で一番困るのが「予想より重い」「ゴミ袋が足りない」「運べない」です。先に定量で見積もります。
1) 搬出量(重量)の目安
浴槽サイズを仮に 1100〜1200mm クラスとすると、重量目安は次の通りです。
- FRP浴槽:おおむね 20〜40kg
- 人造大理石浴槽:おおむね 40〜80kg(製品差大)
- ホーロー浴槽:おおむね 60〜100kg超もあり得る
加えて、在来浴室は周辺に「モルタル」「タイル」「防水層」「下地板」が付いてきます。
タイル+モルタル撤去は、面積あたり 30〜60kg/m² 程度になることも珍しくありません(厚みと下地で上下します)。
ざっくりでも、浴槽周辺 2m² 剥がすなら、60〜120kgのガラが出てもおかしくない、という感覚を持っておくと事故が減ります。
2) 養生材の必要量(最低限)
- ブルーシート:搬出動線の床面+作業エリア
例:廊下幅0.8m×長さ5mなら4m²、浴室前1.8m×1.8mで3.2m² → 合計8m²程度
3.6×5.4m(約19m²)を1枚買うと余裕が出ます。 - 養生テープ(弱粘着):1〜2巻
- ガムテープ:1巻
- 角養生(発泡材):必要に応じて(柱・建具枠を守る)
3) ゴミ袋・土のう袋
「土のう袋」は浴室解体でほぼ必須です。重いガラを普通の袋に入れると破れます。
- 土のう袋:最低 20〜40枚(浴槽周辺のタイル・モルタルがある場合は多め)
- 厚手ゴミ袋(45L以上):木くず・プラ・断熱材用に 10〜20枚
商品例(買うならここがズレると痛い)
ここでは「解体に効く」定番だけ挙げます。メーカーは一例です(Amazon/Yahooで同等品検索がしやすいワードも入れます)。
- 防じんマスク:DS2相当(「粉じん」「タイル」「モルタル」対策)
- ゴーグル:密閉タイプ(破片が目に入る事故は本当に多いです)
- イヤーマフ or 耳栓:電動ハツリは想像以上に音が出ます
- 電動ハツリ:SDS-plusのハンマードリル(小規模ならこれが現実的)
- バール:450mm前後+小型
- レシプロソー:配管・下地切断用(刃は金属用と木工用を分ける)
- バケツ・雑巾・スポンジ:残水処理
- 土のう袋・ブルーシート・養生テープ
「安い刃をケチると作業時間が2倍」になりがちです。特にレシプロソーの替刃はケチらない方が結果的に安いです。
施工方法(ステップバイステップ)
0. 安全と法令の前提(DIYでやる範囲の線引き)
- 給水・給湯の元栓を止める/止水確認:DIY可
- 排水管の切断・更新:DIYは可能だが、配管勾配・通気・防臭の理解が必須
- 電気(換気扇・照明・温水器配線)に触る:資格・法令が絡むので原則は電気工事士領域(電気工事士法の範囲)
- アスベストの可能性がある建材(古いタイル下地材、吹付、断熱材など)を疑う場合:無理に壊さず調査が先(厚労省・環境省・国交省の関連ガイドラインは自治体ページで参照可能)
1. 事前確認:止水・残水抜き・漏電リスクを消す
- 止水
- 水道メーター付近の元栓、または宅内の止水栓を閉めます。
- 浴室の蛇口を開けて、完全に水が止まることを確認します。
- 給湯(ガス・電気)停止
- 給湯器の電源を切る/ガス栓閉止(機器により手順は異なるので取説参照)。
- 追い焚き配管がある場合、浴槽側に残水が残ります。
- 残水抜き
- 浴槽の排水栓を開け、排水が流れ切るまで待ちます。
- それでもトラップ部に水が残るので、バケツ・スポンジで吸い取る準備をします。
定量目安:トラップ部に残る水は 0.3〜1L 程度でも、床を濡らして滑る原因になります。必ず吸い切る前提で進めます。
2. 養生:粉じん・破片・搬出の3点セットを作る
在来浴槽は「割る」ことがあるので、粉じん対策は必須です。
- 出入口にビニール+養生テープで簡易カーテン(粉じんの拡散防止)
- 床にブルーシート+滑り止め(シートがズレると転倒リスク)
- 搬出動線(廊下〜玄関)にもシートを敷く
- 角(柱・枠)は発泡養生材で保護
ポイント:粉じんは換気扇を回しても別室に回り込みます。むしろ負圧になって家中に広がることもあるので、まずは「物理的に隔離」する方が効きます。
3. 「外せる部材」を先に外す(壊す前にネジを探す)
ここを丁寧にやると、浴槽が丸ごと出せる確率が上がります。
- エプロン(浴槽側面の点検カバー)
- 多くはビス留め or ツメ。まず手で揺すって「動く方向」を確認。
- 点検口(床や壁)
- コーキングされている場合、カッターで切ってから外します。
- 浴槽周りのコーキング
- カッターで切り込みを入れておくと、持ち上げ時に壁が割れにくい。
「ネジが見当たらない」場合は、シーリング材や化粧キャップの下に隠れていることがあります。
破壊前提でも、一度ここを探す価値はあります。
4. 排水の切り離し:ここが成功の分かれ道
在来浴槽の排水は、浴槽の下で「排水口→トラップ→排水管」になっています。
臭い止めのため、トラップには水が溜まる構造です。
4-1. トラップの種類を見分ける
- 塩ビ(VP/VU)+接着(白っぽい硬いパイプ)
- 金属トラップ(古い家で多い)
- ユニオン(ナットで外れる構造)
ナットがあるなら「外して分離」できます。接着なら「切断」になります。
4-2. 切断する場合の切る位置(失敗しない基準)
切断するときは「後で接続できる直管部分」を残すのが鉄則です。
目安として、最低でも 50〜80mm 以上の直管が残る位置で切ります。
理由:ソケット(継手)や差し込み代(呼び径によるが数cm)が必要だからです。直管が短すぎると、更新時に床下側まで追いかけて大工事になります。
工具はレシプロソー(金属配管なら金属刃、塩ビなら細目刃)か、塩ビ用パイプカッターがきれいです。
5. 浴槽撤去:割る/そのまま出す の分岐
ここがメインです。状況別に全部書きます。
パターンA:浴槽をそのまま搬出できる(おすすめ)
条件の目安:
- 浴槽の周りに十分なクリアランスがある
例:出入口幅が浴槽の短辺より大きい、または浴槽を立てて回せる - 浴槽が軽い(FRPなど)
- 壁や床を残したい(次工程で再利用)
手順:
- 浴槽周囲のコーキングを切る
- 固定金物があれば外す(ビス・釘)
- 浴槽を持ち上げて「どこが当たっているか」を確認
- 当たっている部分だけ最小限外す(下地板・受け材など)
- 2人作業で搬出(重量が30kgでも、濡れていると滑ります)
定量の考え方:
人が安全に持てる重量は、姿勢と持ち方で激変します。30kgでも「前屈み+腕だけ」だと腰を壊します。
浴槽搬出は「腰より低い位置から持ち上げる」ので、1人で無理をしないのが正解です。
パターンB:浴槽を割って撤去する(狭い浴室で現実的)
条件:
- 出入口が狭い/曲がりが多い
- 浴槽が重すぎる
- どうせ床や壁も撤去する
素材別の割り方:
- FRP:比較的割りやすいが、繊維が飛ぶので防じん必須
- 人造大理石:割れるが硬い。打撃が必要で破片が鋭い
- ホーロー:割れると危険。基本は切断 or 業者推奨(重量も問題)
手順(FRP〜人造大理石向け):
- 浴槽の内側にブルーシートを敷く(破片回収が楽)
- 打撃範囲を決める(中心付近から)
- 大ハンマーを使う場合は、まず小さなヒビを作る
- 破片は「土のう袋」に小分け(1袋は10〜15kg程度で止める)
- 20kgを超えると、運搬中に腰・膝を壊しやすいです
- 破片が床下に落ちないよう、常に回収しながら進める
「割る」場合、最初から細かくしすぎないのがコツです。破片が細かいほど粉じんが増えます。
大きめ→小さめの順に割って、回収を挟みます。
パターンC:金属浴槽(ステンレス・ホーロー)の撤去
ここはDIYの難易度が上がります。
- そのまま搬出できるなら搬出が最優先
- 切断するならレシプロソー金属刃 or ディスクグラインダーになるが、火花・騒音・火災リスクが増える
木造住宅で火花が出る作業は、周囲の木くず・断熱材があると危険です。
金属浴槽で狭小、かつ切断しかない場合は「業者に部分依頼」も現実的です(切断だけ依頼して搬出はDIY、など)。
6. 床・防水層・下地の撤去(浴槽撤去に必要な範囲だけ)
在来浴室は床に防水が入っています。主に次のパターンがあります。
- タイル+モルタル下地(多い)
- FRP防水(床が樹脂で一体化)
- シート防水(古い改修であり得る)
浴槽撤去だけが目的なら「床全部を剥がす必要があるとは限りません」。
ただし、排水更新や土間再施工をするなら、床撤去がセットになりがちです。
ポイントは「撤去範囲を最初に線で決める」こと。
例:浴槽周りと排水経路だけ剥がすなら、壁際から100〜150mm残しておくと、壁の下端が崩れにくいことがあります(壁構造により例外あり)。
ハツリ(モルタルを斫る)定量の目安:
- 10mm厚のモルタルを1m²剥がすだけでも、相当な粉じんと騒音が出ます。
- 電動ハツリの打撃で周囲のタイルが連鎖的に割れるので、残したい部分があるなら「縁切り」(ディスクで切れ目)を入れるのが有効です。
7. 清掃・乾燥・記録(次工程のための「データ取り」)
浴槽撤去後に必ずやること:
- 排水管の位置・高さ・呼び径(太さ)を写真で記録
- 床下が見えたなら、土台・大引・根太の状態を確認して写真
- カビ・腐朽があれば、範囲が分かるようにスケール(メジャー)を置いて撮影
DIYは「記録」が武器です。ここを雑にすると、後で寸法が分からず詰みます。
考慮すべき点チェックリスト(事故と手戻りを防ぐ)
- 止水したのに水が出る:止水位置が違う/給湯側が残圧
- 排水を切ったら臭いが上がる:トラップ水封が無くなるのは正常。仮に栓をする
- 破片が鋭い:軍手ではなく耐切創グローブ推奨
- 粉じんが舞う:マスクは「装着の密着」が性能の半分
- 重量物の運搬:1袋10〜15kgで分割
- 木造で火花作業:周囲の可燃物撤去+消火器 or 水バケツ必須
- 近隣配慮:作業時間帯と騒音(特にハツリ)
施工チェックリスト(当日の行動リスト)
- 元栓を閉めた
- 蛇口から水が出ないことを確認
- 給湯器の電源を切った
- 追い焚き配管がある場合、残水処理を準備
- 養生(出入口・床・動線)を作った
- 防じんマスク/ゴーグル/手袋/耳栓を装着
- エプロン・点検口を外した
- コーキングを切った
- 排水トラップの構造を確認した
- 切断位置を「直管が50〜80mm残る」位置に決めた
- 浴槽を「そのまま出す」か「割る」か決めた
- 破片は土のう袋に小分け(1袋10〜15kg)
- 重要箇所(配管・土台)を写真記録した
材料チェックリスト(消耗品)
- ブルーシート(必要な場合)
- 弱粘着養生テープ
- ガムテープ
- 土のう袋(高耐久)
- 厚手ゴミ袋
- 雑巾・スポンジ
- 仮封用のキャップやテープ(排水口の臭い、異物混入止め)
道具チェックリスト
- 防じんマスク(DS2相当)
- 密閉ゴーグル
- 耐切創グローブ
- バール(大小)
- ハンマー(必要なら大ハンマー)
- レシプロソー+替刃(木工/金属)
- SDS-plus ハンマードリル(床ハツリが必要なら)
- メジャー・マーカー
- バケツ
まとめ
在来工法の浴槽解体は、「浴槽だけ」ではなく「排水・防水・周辺下地」が一体である点を理解すると、一気に成功率が上がります。
ポイントは3つです。
- まず素材を特定し、「割る/出す」を決める
- 排水は直管を50〜80mm以上残して切る(次工程の自由度が増える)
- 重量は土のう袋で10〜15kgずつ分割し、粉じん対策を最初に作る
ここまでを守れば、素人DIYでも安全に撤去し、次の配管更新や床再施工に進めます。
そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!
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また、本資料が必ず正しいということではなく、あくまで参考情報としてみてくださいね。
それでは!
参考(動画・文献)
- 日本の解体・改修における粉じん・保護具の考え方:厚生労働省の粉じん障害防止・保護具関連資料(厚生労働省, n.d.)
- 電気工事の資格範囲:電気工事士法および関連解説(経済産業省, n.d.)
- 建材中のアスベストの基本:国交省・環境省・厚労省の関連ページ(国土交通省, n.d.; 環境省, n.d.)
(上記は「参照先の探し方」を示しています。自治体ルールや最新の手続きは地域差があるため、処分・搬入条件は必ず各自治体・処理場の公開情報で確認してください。)


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