みなさんこんにちは、DIY Renovaです。

築30年超の戸建て住宅をスケルトンリフォーム中。DIYでできるところは自分でやりつつも、やはり「電気工事」は素人がやってはいけない領域。そこで今回は、自宅リノベーションを進めながら筆者が実際に電気屋さんに相談・依頼した工事項目について、抜け漏れのないよう徹底的にまとめました。

「どこまで電気屋さんに頼むべきか？」「自分でやってよいのはどこまで？」「今のうちにやっておくべきことって何？」といった疑問を持つ方の参考になれば幸いです。

そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの？どこから始めればいいの？というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください！

それでは、どうぞ。

電気工事はどこまで頼むべき？DIYとの線引き

日本では、電気工事士の資格を持たない者が屋内配線や分電盤周りの工事を行うことは「電気工事士法」により禁じられています。つまり、以下のような工事は原則プロに依頼が必要です。

• 分電盤の交換・容量（アンペア）変更
• コンセントの増設・移設
• 専用回路（IH、エアコン、EVコンセント等）の新設
• 照明回路の新設・変更
• 換気扇の取り付け（電源接続）
• 電源の新設（屋外コンセントや給湯器用など）

これらはたとえ見よう見まねでやれても、万一火災や感電事故が起きれば「違法施工」として損害賠償リスクも伴います。もし資格を持っていない場合はDIYでできるのは、せいぜい既存の延長コードやスマート家電の設定、ルーターの設置程度まで。

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実際に依頼した工事項目一覧（筆者体験）

1. 分電盤のアンペア増設

築30年越えの木造住宅では、昔ながらの30A契約が主流。しかし現在はIH調理器、食洗機、乾燥機付き洗濯機などを使うため、40A〜60Aへの契約変更が必要。これには東電への申請が必要なので、電気屋さんに相談・申請代行を依頼します。

とくに分電盤は、第２種ではなく、第１種の電気工事士資格が必要なのでほぼすべての方がプロに頼まなければならないと思います。

2. コンセントの増設・移設

• 冷蔵庫、洗濯機など専用回路が必要な家電の場所
• 作業部屋やデスク周りへの複数口コンセント
• 屋外用防水コンセント

今後使う予定の家具レイアウトを踏まえて、あらかじめ位置を確定しておくのがポイントです。

3. 照明・スイッチの新設

• ダウンライトの数と配置
• 間接照明用の電源
• スイッチの高さや位置

使い勝手を考えて、複数箇所でオンオフできる「3路スイッチ」なども相談しておきましょう。

4. 換気扇の設置（シャワーユニット・洗面・トイレ）

• 各水回り（シャワーユニット、洗面所、トイレ）に換気扇を設置
• 外壁へのダクト穴の位置もDIY施工前に指示が必要
• 「停電時でもある程度換気可能な自然排気型」も選択肢に

5. ガス給湯器用の電源配線

ガス給湯器といっても点火・制御に電源が必要なため、屋外用の防水電源が必要です。ここも忘れず依頼しておきましょう。

6. 既存配線の点検・交換（漏電チェック）

築年数が経過した建物では、被覆が劣化していることも多く、漏電や火災のリスクが高まります。構造が露出している今のうちに、既存配線の健全性をチェックし、不具合がある場合は全交換するのが安全です！

7. インターホンの撤去（Wi-Fi式導入予定）

有線インターホンは今後使わないため撤去。代わりにWi-Fi対応のスマートインターホンを後付け予定なので、その電源だけ残しておくように私は依頼しました。

8. LAN配線（1〜2カ所）

基本はWi-Fi運用だが、作業部屋やNAS設置場所などでは有線LANが安定。将来的にルーターや中継器の位置を動かす場合も見越して、今のうちに1〜2箇所だけ壁内にLANケーブルを通しておくのが賢いやり方です。

※LAN配線はネット業者では対応してくれないことが多く、後からだとモール施工になって見た目が悪くなるため注意。

9. 火災報知器（可視アラーム）設置

法的に義務化されているため、各部屋に設置が必要です。高齢者や難聴者がいる家庭では「光と音で知らせるタイプ」も検討を。

具体的には、

電気屋さんへの連絡時に伝えるべきこと

以下の内容をメールや書面で整理しておくと、見積依頼もスムーズになります。

• 現場住所・連絡先
• 工事の進行状況（例：解体中で構造が露出している）
• 希望工事内容のリスト
• 屋外穴あけや貫通工事の位置（DIYで施工する場合もマーキングが必要）
• 希望訪問日（2〜3日候補を提示）

よくある疑問：ネット回線と電気工事の関係

「LAN配線ってネット業者じゃないの？」と思う方も多いはず。

答えは「ネットの契約や回線引き込みはネット業者、屋内配線は電気屋さん」です。

多くのネット業者（enひかり、NURO、ドコモ光など）は、光回線の引き込み工事まではしてくれますが、各部屋へのLAN配線やコンセント型ポート設置までは非対応、または高額になります。

電気工事と一緒にLAN配線を済ませておけば、美観を損なわず、配線工事費も節約できます。

打ち合わせまでに準備しておくこと

電気屋さんとの現地打ち合わせをスムーズに進めるために、事前に準備しておくとよいもの・ことを以下にまとめます。

• 家全体の間取り図（印刷推奨）：現地で位置を直接書き込めるように準備
• 家具・家電の配置予定：冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ台、デスクなど
• 希望するコンセントや照明の数・位置メモ：ざっくりでもよいので生活動線をイメージ
• インターネットやLANの配線希望位置：ルーターの設置場所や作業部屋の有線希望があれば明記
• EV充電・将来の太陽光発電予定があればその旨メモ
• 換気扇の設置希望位置・貫通穴の施工有無（自分で外壁施工する場合も伝えておく）
• 既存配線の不具合がありそうな箇所メモ：焦げ跡、焦げ臭、スイッチの効きづらさなど
• 質問したいことを箇条書きにしておく：例）「トイレに2口コンセント必要？」「エアコン用200Vどこに引けるか？」
• スマホやカメラで現場の写真を撮っておく：メールやLINEで共有したいときにも便利

これらを事前に用意しておくことで、見積もり精度も高くなり、無駄な工期ややり直しのリスクも防げます。

電気工事を依頼するタイミング

電気工事は「いつ頼むか」によって、コスト・仕上がり・作業効率が大きく変わります。とくにスケルトンリフォームや全面改修の場合は、次のようなタイミングで依頼・相談するのが理想です。

• 解体が終わり、構造が露出しているタイミング（柱・間柱・天井裏が見える）
• 屋根や外壁の張り替え直前〜施工中（外壁貫通穴の調整がしやすい）
• 配管や断熱材施工の前（配線が隠れる前に作業できる）

この段階であれば、以下のメリットがあります：

• 配線ルートを最短・最適化できる：後からモールや露出配線にならずスッキリ仕上がる
• 外壁や天井の穴あけが簡単にできる：後からだと工事の二度手間になる可能性がある
• 他の業者（大工・水道・ガス）との調整がしやすい：電気以外の工事と干渉しにくく、トラブルが防げる

逆に、壁をふさいだ後に電気工事を追加で依頼すると、クロスの貼り直しや天井の再施工が必要になることもあるため、リノベーションの初期段階での打診がベストです。

依頼するときの見積もり依頼文案

了解しました！以下の内容を反映して、最終版メール文案を仕上げました：

🔧 追加・反映したポイント

• LAN配線：1～2箇所を追加で依頼（Wi-Fi中心だけど将来用に）
• 換気扇：シャワーユニットに加え、洗面所・トイレにも設置依頼
• 停電時にも使える換気の仕組みがあれば相談希望
• 火災報知器（可視アラーム）設置も追加依頼

📧 電気屋さんへのメール文案（最終版）

件名：電気工事のご相談・現地確認および見積依頼（戸建てスケルトンリフォーム）

〇〇電気様

お世話になっております。〇〇（ご自身の名前）と申します。

現在、築約●年の木造戸建て住宅にてスケルトンリフォームを実施中です。

このたび、電気工事に関して現地確認およびお見積をお願いしたく、ご連絡させていただきました。

現在は建物の解体作業中で、来週以降に屋根および外壁の撤去を予定しています。

※外壁施工もDIYで行う予定のため、外部貫通穴や配線位置についての事前打ち合わせを希望しております。

■ ご相談・依頼予定内容：

1. 分電盤のアンペア増設
   • 現在の契約容量を増やす予定（例：30A → 60A）
   • 東京電力への申請含め、ご相談希望
2. コンセントの増設・移設
   • 各部屋・屋外にて増設および配置変更の相談
3. 照明・スイッチの新設
   • 天井オープン中に設置位置の相談をしたいです
4. 換気扇の設置（3箇所）
   • シャワーユニット、洗面所、トイレに電動換気扇を設置希望
   • 停電時にも動作可能な仕組み（例：手動開閉や自然換気併用）などの対応が可能かご相談したいです
5. ガス給湯器用の電源配線
   • 屋外設置予定のガス給湯器用に専用回路を確保希望
6. 既存配線のチェックおよび交換
   • 築年数が経っているため、漏電や劣化の有無を確認し、必要に応じて交換をお願いしたいです
7. インターホンの撤去
   • 既存の有線式インターホンを撤去希望
   • 今後はWi-Fi式を自分で設置予定です
8. LAN配線の追加（1～2箇所）
   • 基本はWi-Fi運用ですが、作業部屋などで有線LANが使えるように、1～2箇所のLAN通線とコンセント設置をお願いしたいです
9. 火災報知器（可視アラーム）の設置
   • 室内に火災報知器がないため、適切な場所に設置をお願いしたいです
10. 将来のEV対応（オプション）
    • 200V回路の配線敷設（可能であれば）を検討中です

■ 現場情報・訪問希望：

【現場住所】〒〇〇〇-〇〇〇〇

〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地

【連絡先】090-〇〇〇〇-〇〇〇〇

【工事状況】現在解体中（構造・配線が見える状態）

【ご希望訪問日】

・第１希望：

・第２希望：

・第３希望：

・（候補日を2～3日ご記載ください）

ご多用中恐縮ですが、ご確認のうえご訪問可能な日程をご返信いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

〇〇（ご自身の氏名）

メールアドレス：〇〇〇〇〇

電話番号：〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

打ち合わせの時に確認する事項

実際に電気屋さんが現地に来てくれる打ち合わせ時には、以下の点を確認・相談しておくと安心です。

• 各部屋の用途と必要なコンセント数・位置（家具配置も踏まえて）
• 照明の種類と数、スイッチの配置（3路スイッチや調光なども）
• 換気扇の設置位置と外壁貫通穴の場所確認
• 分電盤の位置と将来の拡張余地（回路数）
• LAN配線の位置とケーブル種別（Cat6など）
• 既存配線の状態確認と劣化部の交換必要性
• EVコンセントや太陽光パネル将来設置時の準備配線
• 火災報知器の設置場所とタイプ（光アラーム等）
• 天井や壁が閉じられる前にすべき作業の優先順位

打ち合わせでは、可能であれば「印刷した間取り図」や「施工予定の写真」に直接書き込みながら話すとスムーズです。

おわりに：自分でできること・できないことを見極めよう

いかがでしたでしょうか。

電気工事は「法律で決まっていること」と「安全に関わること」が密接に関係します。

DIYリフォームがブームとはいえ、火災や感電、事故につながるような工事はプロに依頼するのが原則です。

「どこまでがDIYで、どこからが電気屋の領域か」

「今やっておけば後から困らない配線はどこか」

これらをしっかり見極め、信頼できる業者さんと連携しながら進めていきましょう。

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