DIYで屋根形状を変えてメンテコストを半減!リフォーム方法と判断基準【リノベ】

Hello everyone, this is DIY Renova.

日本の木造住宅は、複雑な屋根形状になっているものが少なくありません。たとえば、増築を繰り返した結果、屋根が入り組んでいるケースや、意匠(デザイン)として意図的に複雑な形状にしているケースなどがあるでしょう。しかし屋根形状が複雑だと、谷(たに)が多かったり、継ぎ目が増えたりして、雨漏りリスクやメンテナンス負担が高くなりがちです。

そこで本ブログでは、そうした複雑な屋根を「切り妻屋根」や「寄棟屋根」のようなシンプルな形にリフォーム(改修)する方法を、初心者でもセルフDIYで進められるレベルで詳しく解説します。工学的な観点を含め、専門用語や数字が出てきたら「( )」内で初心者でもわかりやすい補足を入れるように心がけています。

作業手順を一から確認しながら読み進めることで、「本当に自分でDIY可能か」「どこまで自分でやって、どこから専門家に頼むべきか」判断できるようになるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、あなたの住まいに合ったリノベーション計画にお役立てください。


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屋根の形状変更を検討すべきタイミングとその判断基準

屋根のリフォーム、特に「形状そのものを変える」という決断はそう頻繁に行われるものではありません。それゆえ、「どのタイミングで判断すべきか分からない」「修理で済むのか形ごと見直すべきか判断がつかない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

このセクションでは、「屋根の形を変えることを真剣に検討すべき状態」と、その判断基準について解説します。下記の項目に複数該当する場合は、単なる部分修理ではなく「屋根全体の構造を見直すタイミング」と言えます。


「雨漏り」が繰り返し発生している

雨漏りは屋根の機能不全を示す最も明確なサインです。とくに以下のようなケースでは、屋根材の表層だけではなく「構造そのものの再検討」が必要になる可能性が高いです。

  • 同じ場所で何度も雨漏りが起きる
  • 修理しても別の場所で次々と水が入ってくる
  • 天井のシミが広がってきている
  • 雨漏りの原因箇所が「谷」や「複雑な継ぎ目」からのもの

特に「谷」からの雨漏りは、複雑な屋根形状が原因であることが多く、根本的な改善には形の見直しが有効です。谷部分は構造的に雨水が集中しやすく、水はけが悪いため劣化が早くなります。


「屋根の構造部材」に腐食・劣化・歪みが見られる

屋根を支える下地や構造体(垂木、野地板、梁、母屋など)が痛んでいる場合、表面だけを直しても長持ちしません。以下のような兆候がある場合は、構造を含めて見直しを。

  • 小屋裏にカビや湿気、腐朽菌の発生が見られる
  • 垂木がたわんでいる、沈んでいる
  • 野地板が踏むと「ふかふか」している
  • 釘が抜けたり、板が割れたりしている
  • シロアリ被害を受けている

このような状態は、屋根形状に無理がある、通気や排水が悪く水分がこもりやすいなどの根本的な設計不良が原因であることも。リフォームの際は「構造部材の交換+屋根形状の見直し」がセットで検討されるべきです。


「築年数」が30年以上経過し、かつメンテナンス履歴が不明または少ない

1981年(昭和56年)以前の建物は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。このような建物では、屋根材が重くて揺れに弱かったり、構造が今ほど合理化されていなかったりすることも。

また、過去のリフォーム履歴があいまいな場合、施工精度も不明なことが多く、予期しない腐食や強度不足が見つかるケースが多発しています。

このような建物では、屋根リフォームのタイミングで形状をシンプルにし、かつ軽量な素材へ変更することで、耐震性や安全性を向上させることが可能です。


「屋根の形状が極端に複雑」で、施工・メンテナンスの見積もりが高すぎる

屋根がL字型やコの字型など、凹凸の多い構造になっていると、以下のようなデメリットが顕著に現れます。

  • 面積が広くなり、材料費や施工費がかさむ
  • 谷部分が多く、雨仕舞いが複雑になる
  • 定期的なメンテナンス(塗装・防水)の工数が多くなり、費用がかさむ
  • ドローン点検や屋根足場の設置も高額になる傾向

このように、現状の形状を維持するよりも「屋根面を統合し、棟の数を減らして勾配を一本化した方が費用対効果が高くなる」という判断に至ることも多くあります。施工業者や建築士に見積もりを依頼することで、費用差が明確になります。

「外観デザイン」を大きく変えたいリフォーム時

  • 和風から洋風へ
  • 洋風からモダンデザインへ
  • 複雑な屋根をミニマルに

このように、見た目の方向性を大きく変えるときも、屋根形状の見直しは有効です。たとえば和瓦の寄棟屋根から、ガルバリウム鋼板を使ったシンプルな切り妻屋根へ変更すれば、外観はまったく違う印象になります。外壁の張り替えと合わせて行うと「まるで建て替えたような」リノベーションが実現できます。


まとめ:こんなときは「屋根の形状変更」も視野に

以下に当てはまる場合は、単なる補修・塗装ではなく、「屋根形状の抜本的な見直し」を前提に計画するのがおすすめです。

  • 雨漏りが再発・多発している
  • 構造部材に明確な劣化や腐食がある
  • 築年数が古く、耐震・断熱性能が低い
  • 今後のメンテナンスコストを大きく抑えたい
  • 大幅に外観デザインを変更したい

こうしたケースでは、記事本文で紹介した「切り妻屋根」や「寄棟屋根」といったシンプルな形への変更が、構造的にもコスト的にも合理的な選択肢となり得ます。次のセクションから、実際にどのように屋根形状を変えていくか、その具体的な方法について紹介していきます。

【絶対に確認してほしい】屋根の形を変えるDIYで気をつけるべきこと3つのまとめ

「自分で屋根の形を変えてみたい」と思ったら、まずこの3つのポイントを絶対に押さえてください。これを知らずにやってしまうと、「後から違法だった」「家が弱くなった」「家の保険が使えなくなった」なんてことにもなりかねません。


① 屋根の「高さ」を勝手に変えない!

屋根の勾配(角度)や形を変えると、「建物全体の高さ」や「軒の高さ」が変わってしまうことがあります。

でも実は、日本では高さに関する法律(建築基準法)で制限があるので、以下のことに注意が必要です。

  • 高さを上げすぎると「確認申請」が必要になる
  • 周囲の家の日当たりを遮ると「斜線制限」に違反する
  • 増築と見なされると「建ぺい率・容積率」をオーバーして違法になる場合も

→ 「今の屋根の高さ」と「これから作る屋根の高さ」が変わらないようにするのが基本。
→ 不安なら市役所か建築士に図面を見せて相談するのが安全です。


② 柱・梁・筋交いを勝手に切らない!弱くしない!

屋根の骨組み(垂木・母屋・梁など)は、建物を支える大事な部分です。これをうっかり切ったり、削ったり、間違った形で組んだりすると…

  • 地震に弱くなる
  • 台風で屋根が飛ぶリスクが上がる
  • 壁や天井がゆがむ

→ 「構造に関わる木材」は触る前に要チェック。
→ DIYでは補強を加える形にして「今より弱くしない」が鉄則!


③ 地域によっては「工事すること自体」が許可制かも

たとえば都市部・防火地域・景観地区などでは…

  • 屋根の素材が決められている(不燃材じゃないとダメ)
  • 高さや色、勾配の角度まで細かく指定されている
  • 外観を変えるときは「景観条例」などの届け出が必要な場合も

→ 「うちの地域ってどうなんだろう?」と思ったら、まずは自治体の建築指導課やリフォーム相談窓口へ。


まとめ:DIYで屋根の形を変える前に、これだけは確認!

✅ 屋根の高さは「今と変わらないように」する
✅ 屋根の骨組みは「構造を弱くしない」よう補強する
✅ 地域のルールや申請が必要か、必ず事前に役所で確認する


この3つを守れば、セルフリノベでも安全・合法・後悔しない屋根改修が可能です。
「知らなかった」では済まない部分なので、面倒でも「確認→慎重に作業」がDIY成功のカギです!


ステップ1:既存屋根の現況調査

既存屋根の形状把握

まずは自宅の屋根が「どの程度複雑なのか」を正確に把握します。小屋裏(屋根裏)の点検口や、2階天井を一部開いてチェックすると、内部の梁(はり)や小屋組の状態がわかりやすいです。紙にスケッチしながら、屋根の傾斜(勾配)や谷の数、梁や桁(けた)の位置などを記録していきます。

  • 「勾配(こうばい)」は「何寸勾配」と呼ばれることが多く、たとえば「6寸勾配」なら水平1mに対して垂直に60cm上がるイメージ。
  • 「谷」や「隅棟(すみむね)」が多いと雨水の集中や施工が複雑になる要因なので、現状で何か所あるか数えてみましょう。

老朽・破損箇所のチェック

複雑な形状ほど、雨漏りや腐食が起きやすい部位が増えます。以下のポイントを中心にチェックを行い、問題がある場合はリフォーム計画に組み込む必要があります。

  • 「野地板(のじいた)」の腐食や剥がれ
  • 「垂木(たるき)」のひび割れ、虫害、湿気によるたわみ
  • 「小屋組の接合部や金物のサビ」
  • 「シロアリ」や「アリの通り道(蟻道)」の有無

腐食やシロアリ被害が深刻な場合、屋根だけでなく構造部分の補修が必要となるので、費用や工期の再検討も必要です。


ステップ2:素材・屋根形状の決定

「素材選びは施工前の最終段階でやればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、実際は早めに決めておかないと、荷重計算(耐震や耐風の検討)や費用見積もりにも影響してきます。形状(切り妻 or 寄棟)と合わせて、どのような屋根材を使うのかを先に選定しておきましょう。

屋根形状

切り妻屋根

  • 「メリット」
    • 面が2面だけなのでシンプルで施工が容易。
    • 谷がなく、雨仕舞いが比較的ラク。
  • 「デメリット」
    • 正面から見たとき、三角形部分が大きくなり、壁のデザインに工夫が必要。
    • 風をまともに受ける側面が生じやすい。

寄棟屋根

  • 「メリット」
    • 屋根面が4つあり、風を分散して受けやすいので台風などに有利。
    • 雨仕舞いも切り妻同様シンプルで分かりやすい(ただし、隅棟部分は要注意)。
  • 「デメリット」
    • 切り妻より施工手間が増える(面が4面あるため)。
    • 素材によっては加工費が少し多くかかる可能性がある。

屋根材の選択

屋根材は「仕上がりのデザイン」「メンテナンス性」「価格」「重量」など複数の要因で決めます。重量が大きいほど耐震補強が必要になることもあるので、予算や構造安全性、好みから総合的に判断しましょう。

  • 「ガルバリウム鋼板」
    • 「メリット」:軽量でサビに強い。施工も比較的簡単。
    • 「デメリット」:断熱性能は低め。雨音が響きやすい。
  • 「スレート(化粧スレート)」
    • 「メリット」:比較的安価。カラーバリエーションも多い。
    • 「デメリット」:耐用年数が20~30年程度。定期的な塗り替えが必要。
  • 「陶器瓦(粘土瓦)」
    • 「メリット」:非常に高耐久で30年以上持つことが多い。和洋どちらにも合うデザインがある。
    • 「デメリット」:重量があるため、地震への備えとして小屋組や壁の補強が必要。
  • 「アスファルトシングル」
    • 「メリット」:軽量でデザイン豊富。海外でよく使われている。
    • 「デメリット」:下地(野地板やルーフィング)によって寿命に差が出やすい。日本のような多湿環境では施工の質が特に重要。

この段階で「どの屋根形状とどの屋根材を使うか」を大枠で決め、必要な材料の数量や予算感を把握しておきます。


ステップ3:法的手続きや構造計算の確認

建築基準法と確認申請

屋根形状を大幅に変える場合、「増改築」とみなされることがあります。地域によっては建築確認申請が必要になる可能性が高いので、必ず自治体の建築担当部署や建築士事務所に確認しましょう。

特に「屋根の勾配を変えること」によって建物の高さや軒先の高さが変わった場合、斜線制限など都市計画上の制限に抵触するかもしれません。

  • 「ポイント」
    • 確認申請不要の範囲であっても、耐震性や防火性を損なわないようにしなければならない。
    • 役所へ事前相談するとスムーズ。

構造計算(簡易でもOK)

  • 「荷重計算」
    • 新しい屋根材が「どのくらい重いのか」(kg/m²)を調べ、既存の梁や柱に負荷がかかりすぎないか計算が必要。
    • 瓦だと約40~60kg/m²、ガルバリウム鋼板なら約5~10kg/m²程度、と屋根材によって大幅に違う。
  • 「水平力への対応」
    • 地震や強風に対して、屋根形状が変わったことでどのくらい力の流れが変わるかをチェックする。
    • 金物や筋交い(すじかい)、構造用合板の増設が必要な場合は、専門家に相談すると安心。

DIYで一から構造計算を行うのは難易度が高いですが、「荷重計算シミュレーションサービス」や「リフォーム専門家への簡易依頼」などを活用し、最低限の安全確認は行うようにしてください。


ステップ4:足場と安全対策の準備

足場の設置

屋根リフォームでは、ほぼ確実に高所作業が発生します。DIYで行う場合でも足場のレンタル業者などを利用して、しっかりと安全足場を組みましょう。費用は建物の延べ床面積や高さによって異なりますが、一般的な2階建てであれば20万円前後が相場になることが多いです(もちろん地域や足場の種類によります)。

  • 「安全帯(フルハーネス)の使用」
    • 落下事故は重大なケガや死亡につながる恐れがあるので、必ず安全帯を使用しましょう。

周囲への配慮

  • 「飛散防止シートの設置」
    • 瓦や板金など外した屋根材が誤って落ちても、周囲に被害を与えないようシートやネットを張る。
  • 「近隣へのあいさつ」
    • 騒音やほこりがどうしても出やすいので、作業前に隣家へ一言あいさつしておくとトラブルを防げます。

ステップ5:古い屋根材・下地の撤去

屋根材の撤去方法

  1. 「瓦屋根の場合」
    • 瓦を一枚一枚取り外し、割れないよう慎重に下ろす。廃材処理費も考慮しておきましょう。
  2. 「スレート屋根やガルバリウム鋼板の場合」
    • 釘またはビスをひたすら抜く作業が続きます。バールやインパクトドライバーなどを使う。
  3. 「アスファルトシングルの場合」
    • ルーフィングごと剥がすケースが多い。めくり作業で意外と筋肉を使うので、無理せず休み休み進めること。

下地材(野地板・垂木)の状態確認

屋根材を外すと、野地板が露出します。腐食やシミがあれば、その原因を特定し、必要に応じて交換・補修が必要です。垂木(たるき)が割れている、シロアリが入っているなどの状態は放置できません。

  • 「腐った野地板は全面交換か部分交換か」
    • 全面交換だと費用が増えますが、長期的な耐久性が高まります。
    • 部分交換はコストを抑えられますが、隣接部位との継ぎ目の防水処理が大事。

ステップ6:新規構造下地(小屋組)の組み立て

ここからが大きく形状を変えるための核心作業です。複雑な屋根を「切り妻」や「寄棟」に造り替えるため、必要な補強材と新たな小屋組を組む流れを紹介します。

大きな工法パターン

パターンA:既存小屋組を部分的に利用し、上に新規骨組みを足す

  1. 「既存棟(むね)や梁の位置を再確認」
    • どの部材がまだ使えるか判断し、腐食や不具合がある部分のみ補修または交換する。
  2. 「新規の垂木や母屋(もや)を増設」
    • 切り妻なら棟木を通し、その両側に均等に垂木を並べる。
    • 寄棟なら棟木に加え、四隅に隅棟木を設ける必要がある。
  3. 「金物を使った補強」
    • 垂木と母屋を金物(タルキックなど)で固定。台風の多い地域では特に重要。
  4. 「梁や桁の継ぎ手補強」
    • DIYでは大工さんのような本格的な木組みは難しいことが多いので、構造用金物に頼る形でも可。ただし施工マニュアルに沿うこと。

パターンB:既存小屋組をほぼ解体し、新しい屋根組を作る

  1. 「小屋組解体」
    • 2階の天井裏まで含めて大きく変える場合、既存の梁や垂木を一度外すケースも。
    • 作業量が膨大なので、労力と時間をしっかり確保。
  2. 「新しい梁・桁を据え付け」
    • 建築士や専門家にあらかじめ設計図を描いてもらうと迷わない。
    • 水平(レベル)と通り(直線)を確認しながら正確に据え付ける。
  3. 「新規小屋組(棟木・母屋・垂木)を組み立て」
    • 棟の高さをどう設定するか、勾配を何寸にするかは事前の図面計画通りに進める。
    • 金物で補強し、地震や風圧への耐力を確保。

パターンC:部分的に谷をなくしてシンプル化

  1. 「不要な下屋や屋根を撤去・合体」
    • 複数に分かれている屋根を一本化するなど、全解体ほどではないが一部を撤去して棟を通す方法。
  2. 「雨仕舞いを改善する程度の改修」
    • 全面改修が難しくても、谷を減らすだけで雨漏りリスクやメンテナンス負担が大きく軽減される。

木材・補強材の加工・取り付け

  • 「墨出し(すみだし)」
    • 垂木や母屋の位置を正確に決めるため、設計図や現場寸法に基づいて墨(チョークライン)を引く。
  • 「切断・加工」
    • 丸ノコや卓上丸ノコを使い、木材を適切な長さと角度で切る。勾配に合わせて端部を斜めにカット。
    • 安全ゴーグルや手袋など保護具を着用すること。
  • 「取り付け」
    • 金物や釘、ビスを使用。釘は斜め打ち(ダブルシア)で強度を上げる方法もある。
    • 金物同士の競合(干渉)が起きないよう、事前に配置計画を立てる。

ステップ7:野地板・防水シートの施工

野地板張り

  • 「構造用合板(厚さ12mm程度)が一般的」
    • 合板を垂木に対して直交方向に貼り、釘で留めていく。隣り合う板同士に数ミリの隙間を空け、湿気での膨張を考慮する。
  • 「釘のピッチ(間隔)」
    • 推奨は150mm(15cm)間隔程度(場所によって異なる)。屋根面の剛性を高めるために釘打ち位置や間隔が重要。

防水シート(ルーフィング)張り

  • 「アスファルトルーフィングや改質アスファルトルーフィングを使用」
    • 日本では改質アスファルトルーフィングが主流。多少の温度差や経年でも割れにくい。
  • 「重ね幅」
    • 製品にもよるが、基本は10cm以上の重なりを確保。台風や積雪の多い地域はさらに重ね幅を大きくすることもある。
  • 「雨仕舞い」
    • 棟や隅棟、軒先部分は水が侵入しやすいので、ルーフィングの貼り方を二重にする、シーリング材を併用するなど丁寧に仕上げる。

ステップ8:仕上げ屋根材の施工

屋根材別の施工概要

  1. 「ガルバリウム鋼板」
    • 一般的には軒先から順に本体を葺き上げ、最後に棟包みやケラバ包みを取り付ける。
    • 結露防止のため裏面に断熱材が貼られている製品もある。
  2. 「スレート」
    • スレート本体を専用釘やビスで固定。上段が下段に重なるように葺き上げていく。
    • 棟部分は換気棟を兼ねる場合もある。
  3. 「陶器瓦」
    • 瓦桟(かわらざん)を打ち付けて瓦を引っかけながら並べるのが一般的(引掛け桟瓦の場合)。
    • 葺き土や防水シート、釘留めなど工法は地域や瓦の種類で少し異なる。
  4. 「アスファルトシングル」
    • 粘着層付きのシングルを重ね貼りしながら釘で止める。
    • 特に谷部や棟部分は専用の役物やシーリングを併用する。

棟換気・通気層の確保

結露や夏の暑さ対策のため、棟換気や軒換気を設けることが多いです。屋根裏に空気がこもると、木材の腐食や断熱性能低下の原因になります。適切に棟換気部材や換気棟を使って通気を確保しましょう。


ステップ9:仕上げ・雨樋・最終点検

雨樋(あまどい)の取り付け

  • 「勾配を確保」
    • 雨樋は軒先側から適度に下がるように取り付け、水がきちんと排水されるようにする。
  • 「樋受け金具」
    • ピッチや高さを見ながら、野地板や破風板(はふいた)へ固定する。

点検・試験散水

  • 「試験散水」
    • ホースなどで軒先から水を流してみて、棟や谷、接合部から雨漏りしていないか確認。
  • 「仕上げの清掃」
    • 足場を外す前に屋根に落ちた釘やビスなどを回収し、屋根面の掃除を行う。
  • 「ご近所へのあいさつ」
    • 工事期間中の騒音や作業車両でのご迷惑をお詫びし、お礼を伝えると円満に完了できる。

DIYを成功させるコツ

  1. 「道具はケチらない」
    • インパクトドライバーや丸ノコ、足場の確保など、大型工具をケチると作業効率が著しく落ちるだけでなく、怪我のリスクも増す。
  2. 「余裕あるスケジュール」
    • 天候不順や突発的な問題(腐食の発見など)で工期が延びることは珍しくありません。十分な余裕をもった日程を組む。
  3. 「専門家に部分協力してもらう」
    • すべてをDIYするのが理想でも、構造計算や梁の補強部などはプロに相談するのが賢明。
  4. 「予算の2割増しを用意」
    • リフォーム工事は想定外の出費が発生しやすい。足場追加費、廃材処分費、補強材費など。
  5. 「安全第一」
    • 高所作業を甘く見ない。絶対にヘルメット・安全帯を着用。仲間を集めて作業するのも有効。

海外の工法と応用

日本の在来軸組工法(柱・梁・筋交い)で説明してきましたが、海外では「ツーバイフォー(2×4)」や「トラス組工法」などが主流な地域もあります。これらの工法では、事前に工場や作業場で「屋根パネル」「屋根トラス」を製作しておき、現場でクレーンを使って一気に組み上げるなど、作業時間を短縮する手法があります。

  • 「2×4工法」
    • 壁や屋根のパネルを枠組壁工法として組み立てる。
    • DIYで行うには大掛かりな道具や複数人での作業が必要。
  • 「トラス工法」
    • 三角形を基本としたトラスを連続して架けていくので、屋根下地の強度が高くなる。
    • しかし小屋裏スペースが狭くなるデメリットも。

もし海外式のプレハブトラスを取り入れる場合は、輸入時のコストや運搬方法、寸法(インチ規格 vs ミリ規格)の違いなどに注意が必要です。


Summary

「複雑な屋根をシンプルでメンテナンス性の高い形にリフォームする方法」をセルフDIY向けに詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか。以下のポイントを押さえておけば、作業がスムーズに進むはずです。

  • 「最初に素材選びと形状(切り妻 or 寄棟)を決める」 早い段階で屋根材や勾配を確定させると、構造計算や費用見積もりが立てやすい。
  • 「法的手続きや構造強度はプロの力を借りる」 確認申請が必要な地域や構造計算が必要なケースでは、専門家のアドバイスを得ること。
  • 「足場、安全帯など高所作業の安全対策を万全に」 転落事故は最も重大なリスク。決して軽視しないように。
  • 「小屋組の施工は丁寧に金物で補強」 DIYでも金物をしっかり使えば剛性を確保できるが、正しい位置と施工方法を守ること。
  • 「防水と通気を重視」 屋根は最も厳しい自然環境にさらされる部分。防水シートや換気棟で雨水・湿気をコントロール。
  • 「仕上げの屋根材は特徴をよく理解」 重量、耐久性、メンテナンスコストを比較して選ぶ。

屋根リフォームは手間も費用もかかりますが、完成後の満足度はとても大きいものです。「雨漏りリスクの低減」「メンテナンスのしやすさ向上」「外観デザインの向上」「耐震・耐風性能の確保」など、家を長く快適に維持するうえで屋根は非常に重要な役割を果たします。ぜひこの記事を参考に、あなたの家の屋根を生まれ変わらせてください。

In the first place, how much can I do to renovate my home?Where should I start?In other words,Herefrom.If you would like to know more about the specific renovation process and construction,HerePlease also take a look at the page!


参考文献・動画など

  • 「日本建築学会 木造建築物設計規準」(日本建築学会)
    • 木造住宅の構造計画に関する詳細な規準をまとめた本格的資料。
  • 「木造住宅の耐震診断と補強方法」(国土交通省)
    • 公的機関が公表している資料で、耐震補強の考え方が学べる。
  • 「建築基準法」(国土交通省HP)
    • 屋根リフォーム時にも押さえるべき法令。地域によっては条例もあるため注意。
  • 「DIY・リフォーム関連動画」(国内外の事例がYouTubeなどに多数)
    • 例:「大工さんのDIYチャンネル」、「海外の2×4トラス組立動画」など。実際の工程を見るとイメージがつかみやすい。
  • 「日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)」公式サイト
    • リフォームのトラブル防止や施工ガイドラインが掲載されている。

下記のDIYヤーさんの動画も大変参考になりましたので、勝手ながら紹介させてください!!(敬称略)

栗森集会所

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