【完全版】盛り土地盤の家で地盤沈下を防ぐには?DIYチェックリスト

Hello!This is DIY Renova.

リノベーションやDIYを楽しむ皆さん、いまお住まいの家やこれからリノベーションしようとしている家の「盛り土地盤」について、しっかり対策できていますか?「地盤沈下」という言葉を聞いて、「うちはそこまでひどくないかも」と思っている方も多いかもしれません。

でも実は、ひとたび地盤沈下(不同沈下:家の一部だけが沈んでいく現象)が起きると、建物の傾きやひび割れ、さらには雨漏り・排水不良など、あらゆるトラブルの温床となる可能性があります。

盛り土の状態や基礎・床下の束まわりなど、普段は隠れている部分を徹底チェックして、将来の大きなトラブルを未然に防ぎましょう。

本記事では、DIYでできる地盤沈下チェック方法や注意点を、初心者でもわかりやすいように整理してみました。

リスクを正しく理解して、大切な住まいを長く快適に保つお手伝いができれば幸いです。


本記事は長文になりますが、「盛り土地盤」のリスクを網羅的に理解するためにも、ぜひ最後まで読んでくださいね。

So, here you go.


1. 「盛り土地盤」とは?その問題点とリスク

「盛り土地盤」とは、もともと地形が低い場所、傾斜している場所、谷地などを埋め立てて宅地化した地盤のことを指します。土を人工的に盛り上げる工法ですが、実は以下のようなリスクを伴う場合があります。

  • 「圧密沈下」:追加した土が時間とともに締まっていくことで起こる沈下
  • 「排水不良」:地盤内部の水はけが悪く、雨や地下水が溜まりやすい
  • 「支持地盤が浅い」:本来のしっかりした地層までの深さが足りず、建物荷重を支えきれない

特に築年数の古い住宅地では、当時の技術や監督不十分などで、しっかり地盤改良されていないケースも存在します。改良の記録や施工写真が残っていない場合は要注意です。

もし「盛り土地盤」が不十分に固められていたり、排水対策が行われていなかったりすると、数年から数十年の時を経て少しずつ沈んでいく可能性が高まります。これこそが「地盤沈下(または不同沈下)」の大きなリスクです。


2. 地盤沈下の仕組みと原因

「地盤沈下」と一口に言っても、原因や仕組みはさまざま。一般的には次のようなメカニズムがあります。

  1. 「土の圧縮」
  • 盛り土部分や、もともと軟弱だった粘土層が、長期間の荷重によって徐々に圧縮される
  • 水分が抜けたり、振動(地震・車の往来など)で土が締まったりすることで進行
  1. 「地下水の汲み上げ」
  • 工業や農業などで地下水が過剰に使用されると、土中の空隙が減り地盤が沈降する
  • 住宅地でも深井戸を使っている地域や、地盤が水分を保ちやすい地域で起こりやすい
  1. 「雨水・排水の不良」
  • 排水管の破損や、土地の排水計画が不十分で、土中に水が溜まり地盤が弱くなる
  • 地下水位が高い場合にも影響あり
  1. 「地震などの振動による液状化」
  • 埋立地や砂質土壌など、水分を多く含む地盤が大きく揺れると、液状化現象を起こして建物が沈む
  • 大地震時は一気に数十センチ沈下するケースも

素人でも把握できる範囲としては、「地盤が元々どのように造成されたのか」「過去に地盤改良は行われたのか」「排水の状況は適切か」といった情報をなるべく集めるとよいでしょう。新築時の地盤調査報告書や、ハザードマップの確認もおすすめです。


3. DIYチェックの基本スタンス:どこまで自分で対応可能?

地盤沈下のチェックはDIYで十分に可能なケースがありますが、実際に「補修」や「大幅な改良」が必要になった場合は、専門的な知識や機材が必須となります。あくまでDIYでやれるのは「初期の観察・小規模な調整・補強」がメインです。

  • 「DIYでできる範囲」
  • 外構や室内の水平チェック、基礎や床下に生じたひび割れなどの目視確認
  • 束の交換や鋼製束の設置など、小規模な補強
  • シーリングによるひび割れの簡易補修
  • 「プロに依頼すべき範囲」
  • 大規模な地盤改良(表層改良、柱状改良、薬液注入など)
  • 大きく傾いた基礎のジャッキアップ工事や、沈下修正工事
  • 住宅構造そのものの耐震補強が必要なレベルの施工

まずは、この記事で紹介するDIYチェック方法で問題点を洗い出し、本当に大規模修繕が必要なのかどうかを冷静に見極めましょう。


4. 【外構チェック】フェンス・塀・土間・排水溝の異変を見逃すな

盛り土地盤による沈下は、建物内部だけでなく、外構にもはっきりとした症状が現れます。以下のポイントを見逃さないようにチェックしてみてください。

「フェンスやブロック塀の高さや傾き」

  • 真っ直ぐに設置されているはずのフェンスやブロック塀が、部分的に低くなっていたり、傾斜していないか
  • 「レーザー水平器」や「長めの水準器」を使うと、微妙な差も確認しやすい
  • もし外構そのものが傾いているなら、「地盤ごと沈下している」可能性大

「土間コンクリートのひび割れ・段差」

  • 駐車スペースや庭の土間に、大きなひび割れが入っていないか
  • ひび割れが1〜2mm程度のヘアクラックであれば経年劣化の範囲内かもしれませんが、段差が生じている場合は沈下の疑い
  • 雨の日に水溜まりができやすい部分も、もしかしたら地盤が沈んでいるサインかもしれません

「排水溝や桝(ます)の沈み」

  • 敷地内の排水溝や雨水桝が、地面と比べて沈んでいたり、歪んでいたりしないか
  • 蓋が開けにくい、雨水が逆流するなどの症状があれば要チェック

DIYチェックのコツ

  • 「レーザー墨出し器」を使えば、一定の高さにレーザーラインを照射できるので、外構の水平・垂直を簡単に確認できます
  • 「ビー玉」を地面に置いてみて、どちらに転がるかを観察するシンプルな方法も有効です


5. 【建物外周チェック】基礎のひび割れ・高さ差・換気口の傾き

外構だけでなく、建物基礎自体の状態をチェックすることも重要です。以下の項目を見てみましょう。

「基礎のひび割れ」

  • 基礎表面にヘアクラック(幅0.3mm未満程度の細いひび割れ)があるのは、コンクリート特有の経年変化とも言えます
  • しかし幅が大きい(1mm以上)ひび割れや、斜めに大きく走るクラックは「不同沈下」の可能性が高い
  • 基礎のコーナー部分やサッシ下など、応力が集中する箇所は特にチェック

「基礎の高さを測る」

  • 建物の四隅や中央付近など、複数のポイントで基礎上端までの高さを測定する
  • 例えば玄関ポーチなど、外周に合わせて高さを確認すると、微妙な差に気づきやすい
  • レーザーレベルがあれば、さらに正確に測定できる

「換気口の傾きや詰まり」

  • 昔ながらの床下換気口がついている場合、換気口が地面と平行に設置されているか、傾いていないか
  • 排水不良や土砂の流入で、換気口が塞がっていると、湿気がこもって床下が弱くなる原因にも

6. 【室内チェック】ドア・窓・クロスのズレや床のきしみ

いくら外構や基礎が大丈夫そうでも、室内の建具や床に違和感があれば、地盤沈下が静かに進行しているかもしれません。生活の中で気づきやすい症状をリストアップします。

「ドア・窓が開けにくい、勝手に閉まる」

  • ドアや引き戸、窓サッシがスムーズに開閉しない
  • 開けたドアが勝手に動くのは、床が傾いている証拠かもしれません

「床の沈み込みやきしみ音」

  • 重い家具を置いた場所だけ床がへこんだり、歩くときしむ音がする
  • 新築や築浅でも、束や根太が緩んでいる場合があるので要チェック

「クロスのひび割れ、剥がれ」

  • 部屋の四隅や壁と天井の取り合い部分に斜めのひび割れが見られる
  • 家が歪むと、継ぎ目に負荷がかかり、クロスが裂けたり剥がれたりしやすい

「家具や家電のレベルが合わない」

  • 冷蔵庫や棚など、水平調整が必須の家具が多い場合は要注意
  • ビー玉を部屋の四隅に置いてみて、転がり方を比較してみる

7. 【床下・束まわりチェック】スケルトン時にこそ要確認

リノベーションなどでスケルトン状態になっているなら、ぜひ床下全体を入念にチェックしましょう。普段は隠れている部分に、地盤沈下のヒントが隠れているかもしれません。

チェックポイント

  1. 「束石の沈み、傾き」
  • 束石が地面にめり込んでいたり、斜めに沈んでいないか
  • 束石と柱(束)の間に空間ができていたら要注意
  1. 「木製束や鋼製束の状態」
  • 古い木製束が腐食していたり、緩んでいないか
  • 鋼製束の調整ネジが緩んでいないか
  1. 「地面の湿気、水たまり、空洞」
  • 排水不良や地盤のゆるみを示す可能性が高い
  • 床下に大きな空洞があるなら、土が流出しているおそれも
  1. 「防湿シートの破損や未施工」
  • 地面からの湿気を抑える防湿シートが穴だらけ・もともと敷かれていないケースも
  • 湿気がこもると木材や束の腐朽が進み、地盤も軟弱化しやすい

DIYでの対策例

  • 束石の下に「再生砕石」(粒度が均一な砕石)を追加し、しっかり転圧してから鋼製束で高さを再調整する
  • 湿気が多い場合は「防湿シートの再施工」や「床下用除湿機」の導入を検討
  • 換気不良なら「床下換気扇」を設置する手もある

8. 【盛り土地盤ならではの注意点】周囲より高い土地に潜むリスク

盛り土地盤は、周囲の地形に合わせて「人為的に盛り上げられた」土地であることが多いため、特有の問題があります。

  1. 「雨水や排水の流れが不自然」
  • 本来の地形を改変しているため、どこかに水が溜まりやすい構造になっている
  • 適切な排水計画がないと、土中に水が滞留して軟弱化してしまう
  1. 「隣地との境界に段差がある」
  • 盛り土部分が崩れないよう擁壁が設置されているケースもある
  • 擁壁が古くなっていると、雨水や地震の影響で亀裂が入る恐れがある
  1. 「宅地造成時の施工記録が曖昧」
  • 一昔前の造成だと、どんな材料(場合によっては産業廃棄物など)で埋めたか不明なことも
  • 地盤改良や地盤調査の記録がなければ、後から調査を依頼するのも視野に入れる

地盤が高いほど良いと思われがちですが、盛り土でかさ上げした部分がしっかり固められていないと沈下リスクが高くなります。古い造成地の場合は特に注意しましょう。


9. DIYで実践!具体的な補修・予防策

ここまでチェックしてみて、「これはちょっとヤバいかも…」と思った方もいるでしょう。すぐに大規模工事を依頼するのはハードルが高いですが、以下のようなDIYレベルの対策も検討してみてください。

9-1. 束石・床下補強

  • 「沈みが軽微な場合」
  • 束石を一度持ち上げて、下に砕石や砂を追加し転圧して安定させる
  • スペースがあれば、鋼製束に交換して高さを再調整する
  • 「束自体が劣化している場合」
  • 腐った木製束は早めに交換
  • 鋼製束を使えば、レベル調整が容易になる

9-2. ひび割れのシーリング

  • 基礎やコンクリートの軽微なひび割れには、「エポキシ樹脂系」などの補修材を注入して補強できる
  • 大きな亀裂の場合は、単なるシーリングでは根本的な解決にならないため、専門家に相談

9-3. 排水計画の見直し

  • 敷地内の水はけが悪い場合は、「排水溝の増設」や「雨水桝の容量アップ」を検討
  • 雨樋からの排水が建物周辺に溜まりやすいなら、地面の勾配調整や排水管の点検を行う
  • 庭の植物や植栽プランも考慮し、水が溜まらないようにする

9-4. 床下環境の改善

  • 防湿シートの敷設、床下換気扇の追加、断熱材の入替などで、床下の乾燥状態を保つ
  • 湿気対策は、白アリ被害の防止にも効果的

9-5. 小規模地盤改良

  • DIYでできる範囲としては、周辺の土を入れ替えたり砕石を追加して転圧する程度
  • ドラム式の「プレートコンパクター」(小型転圧機)をレンタルすれば、ある程度の転圧は可能
  • ただし大規模な地盤改良が必要な場合は、専門業者へ依頼するのがベター

10. プロに相談すべきケースとそのタイミング

DIYで対処可能なのは、あくまで「軽微な沈下」や「表層的な問題」の場合です。以下のようなケースは、早めに専門家(地盤調査会社や施工業者、建築士など)へ相談しましょう。

  1. 「基礎や土台に大きな亀裂がある」
  • 建物構造自体に悪影響を及ぼす可能性が高い
  1. 「床や外構に数センチ単位の段差」
  • 目視で明らかに沈下している、ドアの開閉に支障があるなど
  1. 「擁壁に深刻なひび割れや傾き」
  • 土圧が原因で崩壊のリスクがある
  1. 「地盤調査結果でN値(地盤の硬さを示す指標)が極端に低い」
  • 地盤改良や補強工事が不可欠

盛り土地盤である程度の沈下が懸念されるなら、プロによる「地盤沈下修正工事」「薬液注入」や「柱状改良」といった大がかりな補強が必要になることもあります。費用は数十万〜数百万円と高額ですが、放置すればもっと大きな損害が出る可能性があるため、しっかりと見積もりと相談を行ってください。


11. まとめ:今こそ、”地盤を見る目”を養おう

家をスケルトンにしている今は、基礎や床下、構造がむき出しになり、普段は見えない部分を細部まで観察できる絶好の機会です。あとで「しまった、あのとき地盤をよく見ておけばよかった…」と後悔しないよう、ぜひこの記事のチェックリストを活用して、必要な部分をしっかり確認してみてください。

「地盤沈下」は、長期的にじわじわと進むものが多いため、気づいたときにはすでに被害が広がっている場合があります。しかし、逆に言えば、早期に異変を発見し対策をしておけば、大規模工事が不要になるケースも少なくありません。

  • 「外構や基礎にひび割れや傾斜はないか?」
  • 「室内のドアや床のレベルはどうか?」
  • 「床下の束や地面は健全な状態か?」

これらを見逃さずにチェックし、DIYで補強できる範囲は早めに対処しましょう。そして、万が一、深刻なレベルの沈下が疑われる場合は、躊躇せず専門家に相談することをおすすめします。

住宅は、人生で一番大きな買い物と言われることもありますが、自分で手を動かしてリノベやDIYをしている方にとっては、より一層愛着のある場所になっていきます。だからこそ、家を長持ちさせるための「地盤を見る目」を養うことが大切です。


12. 参考文献・参考動画

以下は、記事執筆にあたり参照した文献および、地盤沈下・盛り土に関する理解を深めるためにおすすめの情報源です。リスペクトを込めて紹介させていただきます。

  • 「住宅地盤の安心マニュアル」(日本建築センター 編)
  • 地盤調査の基本や地盤改良の種類、地盤沈下の原因などが詳しく解説されています。
  • 国土交通省『宅地造成等規制法』関連資料
  • 盛り土や宅地造成における規制・安全基準などを確認できます。
  • YouTubeチャンネル「DIY大好き建築士のゆるトーク」
  • 床下点検や基礎補修の実例がわかりやすく紹介されています。
  • 「地盤安心マップ」各地方自治体のウェブサイト
  • 地盤災害リスクやハザードマップなど、地域ごとの情報を閲覧できます。

これらの情報はプロレベルの知識を得るのにも役立ちますし、DIYでの対策や点検をするうえでも大いに参考になるはずです。ぜひチェックしてみてください。


以上、盛り土地盤の家で地盤沈下を防ぐためのDIYチェックリストとポイントをまとめてみました。必要以上に不安になる必要はありませんが、「念には念を」でしっかり確認しておくと安心ですよ。あなたの大切な住まいが、これからもずっと快適で安全でありますように。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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