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自宅のDIY水道関連メンテナンス/修繕と範囲「セルフリフォーム」

こんにちは、DIY Renovaです。

この記事では「日本の木造住宅(最大2階建て)を想定した水道関連のセルフリフォーム」をテーマに、初心者でもこの文章さえ読めばある程度の作業が実施できるよう、具体例と工学的なポイントを含めて詳しく解説していきます。以前の会話で話題に上がった「DIYで水回りをいじるときの法的リスク」や「床を壊さずに新たな配管をしたい場合の対策」、さらには「凍結防止策」など、盛りだくさんの内容です。ぜひ最後まで読んでみてください。

なお、ここに書いている内容は日本の法律や自治体の条例を前提としています。海外にはさらに進んだ工法もありますが、日本では「給水装置工事」は条例上、指定業者での施工が原則です。あくまで「DIYでできる範囲」と「やるならここに注意しよう」というスタンスで書いています。もし大がかりな配管工事をする場合は、必ず地元自治体の水道局や有資格の専門業者に相談してください。法的リスク(保険適用外、管理規約違反など)を回避するためにも慎重な判断がおすすめです。

この記事は文字数が多めですが、「これさえ読めば迷わず行動に移せる」よう詳細を書いています。リファレンス的にも使えるよう、具体的な工法や手順をステップ形式で整理したので、ぜひブックマークして何度でも読み返してみてください。

それでは、どうぞ!

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DIY で合法的にできることは意外と少ない

まずは大前提の話です。日本の法律・条例では、多くの地域で「給水装置工事(メーター以降の配管)」は自治体に「指定給水装置工事事業者」として登録された業者しか行えないことになっています。具体的には、古い水道管を取り替える、配管ルートを変える、新たに分岐して水栓を増設する…これらの作業は基本的に「有資格の事業者」に委ねなければなりません。

「これって増設ではなく移設だからいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、条例上は「移設(位置変更)」や「口径変更」も「改造」に該当し、原則としてDIYは不可という取り扱いが多いです。市区町村によって表現が違う場合もありますが、ほぼどこも同じようなルールを運用しています。

ただし、「軽微な修繕」や「パッキン交換」「同じ蛇口への単純な取替え」程度は黙認される(自治体によっては規定に記載がある)ことも事実です。この記事では「DIYでできること」「やるなら事前に確認すべきこと」を含めて解説しますが、必ず最終的には各自治体や管理組合のルールを優先してください。

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守らない場合は、刑事罰こそ勿れ問題があったときに家の保険が使えなくなる!

多くの人は、「条例違反しても警察沙汰にはならないでしょ?」と思います。実際、そこまで大きな事件扱いになる例は稀ですが、だからといって安心はできません。DIYで配管をいじった結果、もし重大な漏水事故が起こってしまうと、以下のようなリスクが発生します。

  1. 「家財保険・火災保険などが不適切施工を理由に適用外となる」
  2. 「マンションや賃貸なら管理規約違反、原状回復命令や違約金請求に発展する」
  3. 「近隣や下階に被害が及んだ場合、損害賠償請求を受ける可能性が高い」

条例違反のDIYで大きな事故が起きると、保険会社が「適切な施工ではなかった」として保険金を支払わないケースがあります。さらには、漏水が下の階にまで広がり、高額な賠償責任を負うことも十分考えられます。「刑事罰こそ少ない」とはいえ、実害としての経済的負担はかなり重い場合があるのです。

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状態チェック編

では、具体的にどこから手を付ければいいのでしょうか。まずは「状態チェック」です。以下のポイントを押さえることで、DIYで直せる範囲か、プロに任せるべきかの目安が立ちます。

「1. 素材が何か」「2. 錆や腐食がどの程度あるか」「3. 水漏れの有無」「4. 配管ルートの分岐が複雑になっていないか」を確認しましょう。

素材は鉄か?

古い家だと、配管に「亜鉛メッキ鋼管」(いわゆる鉄管)が使われている場合があります。これは経年劣化により、内面に錆が発生し、水圧が極端に落ちたり、水に錆が混じるトラブルが起こりやすいです。すでに築30年、40年を超えている場合は、以下の方法で素材を調べましょう。

  1. シンク下や床下点検口を開ける
  2. 目視や触感で確認する(亜鉛メッキ鋼管は銀色っぽい金属パイプだが、表面がザラついていることがある)
  3. 強い磁石を近づけてみる(鉄素材なら磁石が付く)

もし鉄管だった場合、錆がひどくなると内部径が極端に狭くなり、水量が減少するリスクがあります。加えて、錆の亀裂からピンホールが開いて水漏れすることも。すぐに「塩ビ管や樹脂管(HIVP管、ポリエチレン管など)」へ交換するのが理想ですが、ここは「DIYで許容される範囲か」を考えてください。一般的には「鉄管→樹脂管への交換」は大規模工事なので、指定業者に依頼するのが無難です。

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修繕編

「軽微な修繕」ならDIYで行える範囲がいくつかあります。代表例としては「蛇口(混合水栓)本体の取り替え」「パッキン交換」「水漏れの点検修理」などです。ただし、これらも確実に止水をしてから行い、水道局への届出が不要かどうかを必ず確認しましょう。

また、2階から1階へ給水位置を変えるなどの大きな改造は、条例上はほぼ間違いなく指定工事店での施工が求められます。DIYの範囲を超えると判断されたら、専門業者へ依頼してください。

基本的に水道管は水道局に連絡をしましょう

管を一部切り替える、本格的に漏水を直すなどの際は、自己判断で行うより先に「水道局が指定している指定給水装置工事事業者」に連絡するのが最も安心です。自治体のホームページや電話帳で簡単に調べられます。指定店が出してきた見積もり額が高いなと感じたら、複数社に見積もりを依頼すると良いでしょう。

ただ、「本当に軽微な修理」についてはDIYでやってしまう方も多いです。たとえば下記の例です。

  1. 「蛇口本体(同じサイズ、同じタイプ)を交換する」
  2. 「シンク下の給水ホースを交換する」
  3. 「古くなったパッキン(Oリング)を取り替える」

こういった行為は、実際にDIYで済ませる家庭が多く、自治体も実質黙認しているケースが少なくありません(あくまでグレーゾーンではあります)。ただし、万が一大きな事故を起こしてしまうと自己責任となるため、施工手順や技術が伴わないときは無理をせず専門家にお願いしましょう。

古い鉄パイプから快適な素材に変えたい場合は

例えば「古い鉄管を塩ビ管や架橋ポリエチレン管に変えたい」という場合、DIYだと大がかりな配管変更に該当するため、正式な届け出が必要になる可能性が高いです。
参考までに工学的観点を挙げるなら、
「給水管の内径が13mmから10mmに狭くなると、同じ水圧でも流量が大きく低下する(計算上、流体抵抗が増すため1割~2割以上の水量減少が発生する場合もある)」。
こうした配管径変更は、水道メーター口径との兼ね合いもあるため要注意です。DIYでやるにはリスクが大きいといえます。

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備え編

ここでは、冬場に多い「凍結対策」など、災害や寒波に備えるメンテナンスを紹介します。これらはDIYでも比較的取り組みやすく、「軽微な修繕」扱いで済むことが多いです。

凍結を防ぐ

木造2階建てであれば、外気温がマイナス数度に下がる地域だと、露出している屋外配管や2階ベランダに近い給水管が凍結する可能性があります。凍結すると、最悪の場合破裂して大きな水漏れ被害が発生します。対策としては以下のステップを実践してください。

  1. 「水抜き栓」がある場合は、夜間や長期不在時に水を抜いておく
  2. 露出配管には必ず保温材(発泡ポリエチレン系のチューブや断熱材)を巻き付けてビニールテープで固定
  3. 室内が極端に冷え込むときは、少量ずつ水を流し続ける(給水管の動きが止まらないようにする)
  4. 屋根裏や床下に通る配管で冷気が入りやすい場所があれば、断熱材を追加する

(工学的根拠:水は0度付近で体積が約9%膨張するため、管内部で凍ると強い圧力がかかり、管破裂につながることが多い。保温材で外気温を緩和し、温度を少しでも下回りにくくすることが重要)

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床を破壊せず新たに配管をしたい場合

この記事でも何度か触れてきましたが、「床下配管を新たに敷設したい」「2階の水栓を1階へ移したい」といった大がかりな工事は、条例上DIYが制限される内容に該当しやすいです。ただ、どうしても床を壊さずに配管を追加したいときの”方法”や”考え方”だけは下記にまとめておきます。あくまで参考程度にしてください(実際の施工は指定工事業者に依頼しましょう)。

「方法1: 露出配管」

  1. 壁や天井裏を通さず、モールや配管カバーを使って壁の表面を這わせる
  2. 配管素材は耐候性のあるHIVP管やステンレス管を選ぶ
  3. 勾配が必要な排水管の場合、1/50~1/100(2cm~1cm/m)程度の勾配を確保
  4. 見た目が気になる場合は配管モールや家具の裏を通すなど工夫

「方法2: 壁や天井裏の空間を活用して配管」

  1. 床下を壊さずに、壁の点検口や天井裏(小屋裏)を通すルートを検討
  2. 必要最低限の小さな開口をつくり、そこから配管を通す
  3. 建物の構造体(梁・柱・筋交い)を傷めないように注意。構造計算上重要な部分に穴を開けると耐力が落ちるので、必ず専門家の判断を仰ぐ

「方法3: ポンプを使う」

  1. 重力勾配がとれない場合、小型の排水ポンプで水を押し上げる
  2. パワーが十分なポンプを選ばないと水圧不足になるため、製品仕様(揚程・流量)を要チェック
  3. ポンプは電気製品なので電源確保が必要。漏電対策やアースの設置も忘れずに

これらの工法はいずれも工事範囲が大きいため、本来は自治体へ届け出が必要だったり、管理規約の承諾を得る必要があるケースが多い点は重ねてご注意ください。

使われていない浄化槽って撤去できるの?DIYで掘り起こせるのか?

古い住宅をセルフリノベーションしていると、外構や庭の一部に「昔使っていた浄化槽」が埋設されたままになっていることがあります。これは、過去に浄化槽から公共下水道へ切り替えた家でよく見られる現象です。

まず、「そのまま放置していいのか?」「撤去すべきか?」という観点から説明します。


浄化槽が放置されているとどうなる?

  • 使用していない浄化槽が地中に埋まっていても、すぐに違法というわけではありません
    ただし、以下のような問題があるため、撤去または適切な「埋め戻し処理(埋め殺し)」が推奨されます。
  1. 陥没リスク
    長期間放置されたコンクリート浄化槽は、天井部分が劣化し、重みに耐えられず陥没することがある。特に上に人や車が乗るような場所だと非常に危険。
  2. 悪臭や残留汚泥の問題
    浄化槽内部に未処理の汚泥や汚物の残留があると、腐敗して悪臭や地盤汚染の原因になる。
  3. 建て替え・売却時に問題化することも
    「浄化槽がそのまま残っている家」は、住宅売却時や建て替え時に告知義務や撤去義務が発生することがある

浄化槽の撤去にはどんな工事が必要?

基本的に、次の2パターンがあります:

【A】完全撤去(浄化槽を地中から掘り出して撤去)

手順(業者施工が前提)

  1. 重機(ミニバックホーなど)で地面を掘削
  2. 浄化槽を取り出し、コンクリート槽をカットして搬出
  3. 地面を整地し、埋戻し(砕石+土)+転圧処理
  4. 最終的に庭や駐車場などの外構に再整備

費用目安(業者依頼)
・30万円~60万円程度(地域や地盤による)
・コンクリートの厚み、残留汚泥の有無、アクセスのしやすさで変動あり

DIYは可能?

  • 正直なところおすすめできません
  • 理由は以下の通り:
    • コンクリート浄化槽は重量が数百kg以上ある
    • 地中に深く埋まっているため掘削量が大きい(深さ1.5m以上)
    • バックホーなどの重機操作が必要(免許が必要)
    • 汚泥が残っている場合、産業廃棄物としての処理が必要

法律的にも、浄化槽の撤去や汚泥の処理は「浄化槽法」「廃棄物処理法」の規制対象なので、許可業者でない個人が行うことは事実上かなり厳しいといえます。


【B】埋め殺し(浄化槽をそのまま埋戻して使用不能化)

完全撤去は費用や手間がかかるため、より現実的な方法として「埋め殺し」(=使用できない状態にして埋戻す処理)が広く行われています。

手順(業者 or 一部DIY可能)

  1. 浄化槽の蓋を開けて内部を確認
  2. 中の汚泥・水を吸引処分(バキュームカーなど、業者依頼が必要)
  3. 浄化槽内を高圧洗浄(臭気や残留物の除去)
  4. 内部に砂利・砕石・土砂などを入れて満たす
  5. 通気管や配管を塞ぎ、上部を転圧処理して完了

費用目安(業者依頼)
・10万~20万円前後(内容による)
・バキューム代+洗浄+埋戻し+整地

DIYでできる範囲は?

  • 中の清掃と土砂の埋戻しだけなら一部対応可能(ただし自己責任)
  • 汚泥の吸引や産廃処分は専門業者しか取り扱えないため、最低限ここは業者依頼が必要
  • 砂利や土砂は自分でホームセンターなどで調達して埋めることも可能だが、陥没防止のために「転圧機」での締固め」も推奨される(簡易レンタル可)

DIYで対応したいならどう進めるか(段階的ガイド)

  1. 浄化槽がどこにあるかを確認(図面がない場合は庭に金属棒を差し込みながら探す)
  2. 蓋を開けて内部の状況確認(蓋は重く、二人作業推奨)
  3. 汚泥・残水がある場合は「浄化槽清掃業者」または「バキューム業者」に依頼(自治体許可業者が必要)
  4. 内部が空になったら、砂利や土砂を数十cmずつ入れて、その都度転圧(体重+突き固めでもOKだがプレートコンパクター使用が理想)
  5. 地表まで埋め戻したら、上部をモルタル・防草シート+砂利で仕上げてもよい

注意すべき法律と届け出

  • 浄化槽法第12条・第33条などにより、「浄化槽の使用を廃止した場合は、自治体への届出が必要」です(届け出を怠ると指導対象)
  • 「廃止届」は市区町村の下水道課や環境課に様式があります
  • 撤去や埋戻しの工事を自分でやっても、届出は必要です(無料)

浄化槽を放置しているかも?と思ったら

セルフリノベーション中に「謎のコンクリ蓋」「庭の一部だけ沈みやすい」「配管が繋がっていない空槽」などがある場合、まずはそれが「旧浄化槽」かどうかを確認しましょう。
図面や自治体の「下水道切替記録」「浄化槽台帳」を取り寄せると、どこに何があるか把握できることがあります。


結論:素人が撤去するのは難しいが、正しい段取りなら“埋め殺し”対応は可能

重機が必要な完全撤去は、DIYでは非現実的(危険+法律上の制限あり)
部分的DIY+一部業者依頼で“埋め殺し”なら対応可能なこともある
必ず汚泥は適正に処理する(勝手に埋めてはいけない)
浄化槽の使用廃止届は忘れずに提出する

浄化槽は一見ただの「コンクリ構造物」に見えますが、法的にも衛生的にもきちんと処理しないと大きな問題になります。セルフリノベーションで発見したら、焦らず段取りを踏みつつ、「何をDIYでやるか」「何を業者に依頼するか」をしっかり線引きしましょう。

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おわりに

いかがでしたか。今回は「自分の家でできる水道関連メンテナンス・修繕・チェック」を軸に、

「DIYで本当に許される範囲とは何か」
「やらない方がいい(やってはいけない)大規模工事の例」
「古い鉄管をどうするか」「凍結予防」
「床を壊さずに新たな配管をする考え方」

などを盛りだくさんでお伝えしました。要点をもう一度まとめると、

・日本の条例上、給水装置工事や排水設備工事は「指定事業者でないと基本的に施工不可」
・パッキン交換や蛇口交換程度は黙認される場合もあるが、大きなリスクが潜む点は知っておく
・トラブル時に保険が下りないなど、後悔しても遅い問題に発展する可能性がある
・DIYが不安な人は、まず水道局や管理組合に問い合わせ、指定工事店を紹介してもらうと良い
・凍結防止や簡単な点検は初心者でも取り組みやすい
・どうしても床を壊さずに配管を通す場合、露出配管や天井裏を利用する工法があるが、これも本来は専門家への相談が推奨される

ちょっと身構えてしまうかもしれませんが、水道設備は住宅機能の中でも生命線と言えます。見よう見まねの施工で漏水や衛生トラブルを起こせば、生活が一気に困難になるので、くれぐれも慎重な行動をおすすめします。

最終的には、DIYにチャレンジする前に「これは本当に軽微な作業か?」を自分に問いかけ、法令・条例違反のリスクや管理規約に抵触しないかを確認しましょう。それでもなお「必要だ」と思うなら、なるべく保険やアフターサービスのある専門業者に依頼することが、結果的には安心につながります。

セルフリノベーションは夢があって楽しいですが、水回りはトラブルが起きやすい場所です。計画的に準備し、無理のない範囲で家を快適にしていきましょう。あなたのDIYが安全で成功しますように、心から応援しています。

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(参考文献・参考動画) ・「水道法および各自治体の給水条例」…市区町村の水道局公式サイト
・「下水道法および排水設備工事の手引き」…都道府県や市区町村の下水道課Webページ

以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。安全で快適な住まいづくりを楽しんでくださいね。

そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!

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