壁紙・天井用クロスの選び方 ― メーカー・種類・入手チャネル横断ガイド

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はじめに

壁紙(一般に「クロス」と呼ばれます)を選ぼうとして、ホームセンターの棚やメーカーのカタログサイトを開いた瞬間に「メーカーがいくつもあって、グレードも番号もバラバラで、結局どれを選べばいいのか分からない」と感じたことはないでしょうか。

国内には壁装材を専門に扱う大手メーカーが複数存在し、それぞれが独自の品番体系・グレード呼称・サンプル入手ルートを持っています。加えて「量産品」「1000番台」「不燃」「準不燃」といった専門用語が飛び交うため、初めて選ぶ人ほど迷いやすい領域です。

この記事では、壁・天井のクロスをこれから購入しようとしている方向けに、(1) メーカー横断でどんな選択肢があるか、(2) 素材の種類、(3) グレード階層の考え方、(4) 不燃・準不燃・難燃、防炎といった認証・性能表示の意味と適用条件、(5) メーカー直販・専門店・ホームセンター・通販・工務店支給といった入手チャネルの違い、を横断的に整理します。

特定の部屋(キッチン・水回り等)に絞った深掘りや、床材(クッションフロア等)の選び方は範囲が広くなるため、別記事で扱う予定です。本記事は「まず全体像をつかみたい」という段階の方に向けた、選定軸の地図だと考えてください。

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また、本資料が必ず正しいということではなく、あくまで参考情報としてみてくださいね。

それでは、どうぞ。

クロス(壁紙)の素材はどう分かれているか

まず基礎から整理します。「クロス」は英語のclothに由来する呼び方ですが、現在市販されている製品の多くは布ではなく塩化ビニル樹脂を主成分とした素材です。一般社団法人日本壁装協会は、壁紙の材料を「紙系」「繊維系」「塩化ビニル樹脂系」「プラスチック系(塩ビ以外)」「無機質系」「その他」の6区分に分類しています(日本壁装協会, n.d.)。

  • 塩化ビニル樹脂系壁紙(いわゆる「塩ビクロス」。表面化粧層に一定量以上の塩化ビニル樹脂を使用している壁紙です)は、ポリ塩化ビニルを主原料とするビニールクロスが壁紙全体の約9割を占めるとされる、国内の主流タイプです(大建工業, n.d.)。耐久性・施工性のバランスがよく、量産品から高機能タイプまで幅広く展開されている一方、紙系・繊維系に比べて通気性は劣り、可塑剤(樹脂を柔らかくする添加剤)を含むこと、廃棄時に他の紙系素材と分別が必要になる場合があることは押さえておくとよいでしょう。
  • 紙系壁紙(紙を主素材とする壁紙。普通紙・難燃紙・紙布などが使われます)は、風合いが柔らかく、海外製の意匠性壁紙に多いタイプです。DIY用品を扱う株式会社RESTAの販売サイトFAQによれば、紙製クロスに比べてビニールクロス(塩ビクロス)は強度に優れ耐久性が高く、表面の汚れを拭き取れるとされています(RESTA, n.d.)。
  • 繊維系壁紙(一般に「織物クロス」と呼ばれます。植物性繊維・再生繊維・化学繊維・動物性繊維など、有機質繊維を編んだり織ったりして作る壁紙です)は、質感や陰影が出やすく、上質な空間づくりに使われます。化学繊維の不織布(フリース)を基材にしたタイプもこの繊維系に含まれ、糊を壁側に塗って直接貼るタイプが多く、剥がす際に紙のように破れにくいのが特徴です。海外製・「貼ってはがせる」タイプの壁紙でよく使われる基材ですが、汚れの拭き取りやすさでは塩ビクロスに劣る場合があります。
  • プラスチック系壁紙(塩化ビニル樹脂以外のプラスチック素材を使用した壁紙)や無機質系壁紙(無機質紙・無機質骨材・ガラス繊維などを主素材とする壁紙。不燃性能が求められる場所で使われることがあります)といった選択肢もあります(日本壁装協会, n.d.)。

どの素材を選ぶかは質感や耐久性の好みだけでなく、この記事の後半で触れる不燃・準不燃・難燃といった防火性能要件にも関わってきます。

メーカー横断で見る選択肢

国内で壁紙(クロス)を主力製品として展開している大手メーカーには、次のような会社があります。いずれも各社公式サイトで事業内容を確認しています。

  • サンゲツ(サンゲツ株式会社):カーテン・壁装材・床材・椅子生地・ラグ・タイル等を扱う総合インテリアメーカーで、全国8か所(品川・大阪・名古屋・福岡・仙台・金沢・広島・沖縄)にショールームを持ちます(サンゲツ, n.d.)。
  • リリカラ(リリカラ株式会社):壁紙・カーテン・床材を中心にしたインテリア事業部を持ち、戸建・マンションから店舗・医療福祉・教育施設向けまで幅広いカタログを展開しています(リリカラ, n.d.)。
  • 東リ(東リ株式会社):壁紙のシックハウス対策(ホルムアルデヒド放散量基準等)に関する安全性情報を自社サイトで詳しく公開しているメーカーです(東リ, n.d.)。
  • ルノン(ルノン株式会社):壁紙の品質規格(SV規格・JIS規格)に関する情報を自社サイトで詳しく公開しているメーカーです(ルノン, n.d.)。
  • シンコール(シンコール株式会社):壁紙・クロスに加えてカーテン・床材・カーペット・椅子生地まで扱う総合インテリア装材メーカーで、東京・名古屋・北海道にショールームを展開しています(シンコール, n.d.)。

いずれのメーカーも「量産品」から「1000番台」と呼ばれるハイグレード帯まで、複数のグレード帯にわたるカタログを持つのが共通点です。逆に言えば、どのメーカーを選ぶかより先に「どのグレード帯の中から選ぶか」を決めたほうが実務的には迷いにくくなります(次章で扱います)。

なお、建材メーカーの中には壁材関連の製品を扱っていても、主力がロール状の壁紙(クロス)ではなく板状の不燃壁材やシート化粧建材である会社もあります。本記事では、ロール状のクロスを主力製品として一次資料(各社公式サイト)で確認できたメーカーに絞って紹介しています。

グレード階層で選ぶ(量産品・1000番台・特注)

壁紙の見積書やリフォームサイトでは「量産品(量産クロス)」「1000番クロス(1000番台)」という呼び方をよく見かけます。ただしこれはメーカー公式の商品グレード名ではなく、販売店・見積比較サイト側で使われている慣用的な区分です。実際、リリカラは「ライト」「ウィル」「V-ウォール」、シンコールは「BIGACE」「WALLPRO」「リフォーム上手」といった独自のシリーズ名でカタログを分けており(リリカラ, n.d.;シンコール, n.d.)、メーカーが公式に「量産品」「1000番台」という名称を使っているわけではありません。メーカーを横断して同じ意味で通じる公式グレード名ではない点に注意してください。

  • 量産品(スタンダードクロス)は、需要が多い定番デザインを大量生産しているグレード帯を指す慣用表現です。色柄のバリエーションが豊富で、抗菌・撥水といった基本的な機能を備えた製品も揃っています(リノコ, n.d.)。コストと品質のバランスに優れ、リビング・寝室から水回りまで幅広い部屋で選ばれる一方、意匠性や機能面では上位グレードに劣る場合があります。生のり付き壁紙は量産品グレードで多く展開されており、DIYでも扱いやすいタイプです。
  • 1000番台(ハイグレードクロス)は、量産品より意匠性や機能性を高めたグレード帯を指す慣用表現です。この呼び名は品番の数字ではなく、1平方メートルあたりの標準単価がおよそ1,000円程度であったことに由来するとされます(リノコ, n.d.)。 呼び名の由来であり、現在の実勢価格を示すものではありません。厚みのある素材や凹凸のあるテクスチャ、より高度な機能を持つ製品が含まれる傾向がありますが(リノコ, n.d.)、「1000番台だから必ず高機能」という単純な話ではなく、製品ごとに仕様は異なるため、カタログの仕様欄を確認する必要があります。
  • 特注(オーダー)は、定番カタログにない色・柄・素材を個別に発注するグレード帯です。既製品にない色柄を選べる一方、個別対応のぶん納期や最小ロットの制約が出やすく、将来的に同じ仕様を追加発注したり部分補修用に再入手したりするのが難しくなる場合もあります。

グレードの違いは価格差として語られることが多いのですが、実売価格は変動しやすく本質的な判断軸ではないため本記事では触れません。判断材料にすべきは「量産品で十分な標準的な部屋か」「意匠性や機能を優先したい場所か」という用途側の軸です。

認証・性能で選ぶ(不燃・準不燃・難燃、そして防炎との違い)

ここは誤解が多い領域なので、丁寧に整理します。

JIS A 6921とSV規格は「防火性能」を規定していない

壁紙のJIS規格は「JIS A 6921(壁紙)」です。この規格が定めているのは、退色性・摩擦色落ち度・隠蔽性・施工性・湿潤強度、そしてシックハウス対策としてのホルムアルデヒド放散量(0.2mg/L以下)といった品質・安全項目であり、防火性能(不燃・準不燃等)は規定していません(日本規格協会, 2014;ルノン, n.d.)。壁紙工業会が定める自主規格「SV規格(Standard Value)」も同様に、快適性・安全性(重金属・塩化ビニルモノマー・VOC等)に関する上乗せ基準であり、防火性能の基準ではありません(サンゲツ, n.d.;ルノン, n.d.)。「JISに適合している=不燃」という理解は誤りなので注意してください。

不燃・準不燃・難燃の違い(建築基準法)

防火性能は「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」の3段階に区分されます。通常の火災による熱を受けたときに、(1) 燃焼しない、(2) 防火上有害な変形・溶融・き裂を生じない、(3) 避難上有害な煙やガスを発生しない、という3つの要件を何分間満たし続けられるかで区分が決まります。具体的には、不燃材料は加熱開始後20分間、準不燃材料は10分間、難燃材料は5分間、これらの要件を満たすことが必要です(建築基準法施行令第108条の2、同施行令第1条第5号・第6号)。数字が大きい区分ほど、要求される防火性能が高いと考えてください。

「防炎」は消防法に基づく別の制度

「防炎」は建築基準法の不燃・準不燃・難燃とは異なり、消防法第8条の3に基づく別の制度です。対象になるのは「どん帳、カーテン、展示用合板その他これらに類する物品で政令で定めるもの」で、高層建築物・地下街・劇場・キャバレー・旅館・病院など政令で定める防火対象物で使用する場合に、政令で定める防炎性能以上の物品を使うことが義務づけられています(消防法, n.d.)。

政令(消防法施行令第4条の3第3項)はこの対象物品を「カーテン、布製のブラインド、暗幕、じゅうたん等(じゅうたん・毛せん等の床敷物)、展示用の合板、どん帳その他舞台において使用する幕及び大道具用の合板並びに工事用シート」に限定列挙しており(消防法施行令, n.d.)、可動性の高い布製品・仕上げ材が中心です。施工されて建物に固定される壁紙は、この限定列挙に含まれていないため、防炎規制の対象物品には基本的になりません。「不燃・準不燃認定」と「防炎ラベル」は根拠法も対象も異なる別の制度なので、混同しないようにしてください。

防火性能(不燃・準不燃・難燃)は建築基準法の「内装制限」の話

壁紙の防火性能は、JISとは別の枠組みである建築基準法の「内装制限」で扱われます。建築基準法第35条の2は、次のいずれかに該当する場合(最後の1つは建築物ではなく室が対象です)について、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従って、壁・天井(天井のない場合は屋根)の室内に面する部分の仕上げを「防火上支障がないように」しなければならないと定めています(建築基準法, n.d.)。

  • 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物(劇場・映画館・病院・ホテル・共同住宅・百貨店・飲食店等)
  • 階数が3以上である建築物
  • 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
  • 延べ面積が1,000平方メートルを超える建築物
  • 調理室・浴室その他、かまど・こんろなど火を使用する設備や器具を設けた室

この5項目のうち、特殊建築物・階数3以上・延べ面積千平方メートル超の建築物については、条文にある「政令で定めるものを除き」という除外規定により、政令(施行令第128条の4)でさらに適用条件が絞り込まれています。特殊建築物についても同条第1項が用途ごとに規模要件で対象を絞り込んでおり、たとえば劇場等は客席の床面積の合計が400平方メートル以上、共同住宅・病院等は3階以上の部分の床面積の合計が300平方メートル以上、といった具合です(同条第1項)。

階数3以上の建築物は延べ面積500平方メートルを超えるもの(学校等の用途に供するものを除く)に限られ(同条第2項)、延べ面積千平方メートル超の建築物は「階数2で延べ面積1,000平方メートル超」または「階数1で延べ面積3,000平方メートル超」のもの(いずれも学校等の用途に供するものを除く)に限られます(同条第3項)。

一方、「政令で定める窓その他の開口部を有しない居室」(無窓居室)は、上記の除外規定とは別枠で、法第35条の2自体が政令に定義を委任している規定です。

根拠は施行令第128条の3の2で、天井の高さが6メートルを超える居室はそもそも対象外としたうえで、(1) 床面積50平方メートル超の居室で、窓その他の開口部の開放できる部分の面積の合計が当該居室の床面積の50分の1未満のもの、または(2) 温湿度調整を必要とする作業室その他用途上やむを得ない居室で規定に適合しないもの、のいずれかに該当する場合に無窓居室とされます(建築基準法施行令第128条の3の2)。なお(1)の50分の1という基準は、火災時の煙を有効に排出できる給気口・排気口を国土交通大臣が定める構造で設けている場合、開口面積等に応じた代替の算定方法によることもできます。

火を使う設備のある調理室等はさらに限定的です。施行令第128条の4第4項によれば、対象になるのは「階数2以上の住宅(特定主要構造部を耐火構造としたものを除く)の最上階以外の階」にある調理室等、または「住宅以外の建築物(同じく耐火構造としたものを除く)」にある調理室等に限られます。つまり平屋(階数1)の住宅の台所や、2階建て住宅の最上階(2階)の台所はこの規定の対象外です。

また条文が挙げる対象は「かまど、こんろ、ストーブ、炉、ボイラー、内燃機関その他火を使用する設備又は器具」です(建築基準法施行令第128条の4第4項)。IHクッキングヒーターのように火を使わない電気式の調理設備がこれに該当するかは条文上明記されていませんが、推測ですが、文言(火を使用する設備)を素直に読めば該当しないと考えられます。

最終的な該当性は特定行政庁の解釈によるため、個別に確認してください。「一戸建て住宅の台所は必ず不燃壁紙が必要」という単純な話ではなく、住宅の階数・構造・調理設備の種類まで見ないと判断できません。対象になりそうな部屋では、設計者や施工店に確認したうえで、防火認定を受けた壁紙を、指定された下地条件とあわせて選ぶのが確実です。

また、壁紙単体で「不燃」「準不燃」と認定されるわけではない点も見落とされがちです。防火性能は「壁紙とそれが貼られる下地材料との組み合わせ」で試験・認定される仕組みで、国土交通大臣が定める材料の組み合わせによる必要があります(日本壁装協会, n.d.)。同じ壁紙でも下地が変われば認定の対象外になり得るということです。カタログで「不燃認定」「準不燃認定」と表示されている製品を選ぶ際は、指定されている下地材料とセットで使うことが前提になっている点を確認してください。個別の建築物で内装制限の対象になるかどうかの最終判断は、設計者・施工店・特定行政庁に確認するのが確実です。

入手チャネルで選ぶ(直販・専門店・ホームセンター・通販・工務店支給)

同じメーカー・同じ品番でも、どこから手配するかで手間や確認できる情報量が変わります。

メーカー直販(サンプル請求)

各メーカーはデジタルカタログをウェブサイトで公開しています。ただしサンゲツの公式FAQによれば、カタログ請求は法人のみが対象で、個人からのカタログ請求は受け付けていません(サンゲツ, n.d.)。個人で検討する場合は、デジタルカタログで候補を絞り込んだうえで、壁紙のカットサンプルを扱う通販や、後述の専門店・工務店を通じた現物確認を組み合わせるのが現実的です。

内装材・壁紙専門店

壁紙専門の販売店や、施工とセットで壁紙を扱う内装材専門店では、複数メーカーの見本帳を横断的に見比べられる場合があります。品番の特定や廃番確認、施工とあわせた相談がしやすいのが利点です。

ホームセンター

DIY向けには、ホームセンターの店頭・通販サイトが身近な入手先です。たとえばホームセンターコーナンのオンラインショップでは、生のり付き壁紙(あらかじめ糊が付いているタイプ)、リメイクシート、補修用壁紙などを取り扱っています(ホームセンターコーナン, n.d.)。店頭在庫は品揃えが限られる一方、少量から購入でき、届いてすぐ施工に取りかかれる手軽さがあります。DIYで壁紙を後貼りする際は、壁紙用のりを別途用意する必要がある製品もあるため、生のり付きかどうかをパッケージで確認してください。

通販(ネットショップ)

楽天市場やAmazonには、壁紙専門のネットショップも出店しています。品番を指定して検索できる利便性がある反面、色味の見え方はディスプレイごとに差が出るため、可能であれば事前にサンプル請求や店頭確認を挟むと失敗が少なくなります。

工務店支給・施主支給

リフォーム業者に依頼する場合、業者があらかじめ用意した品番から選ぶ「業者支給」と、施主自身がメーカー・品番を指定して手配する「施主支給」という区分があります。施主支給は選択の自由度が上がる一方、数量の見積もり誤差や納期調整、施工保証の扱いなど、業者側との事前すり合わせが必要になります。DIYで一部だけ自分で手配したい場合も、先に施工を依頼する業者に相談してから発注するとトラブルを避けやすくなります。

機能性壁紙という選択肢

近年は、基本の意匠性に加えて機能を持たせた壁紙も選択肢に入ります。防カビ・撥水タイプ(水回りに使われることが多く、カビの発生を抑える効果をうたう製品)、消臭・抗菌タイプ(生活臭を吸着し、抗菌・抗ウイルス成分を配合した製品)、マグネット対応タイプ(磁石を直接貼り付けられる特殊なクロス)などが紹介されています(リフォームのケイズ, n.d.)。用途に応じてこうした機能性クロスを組み合わせる選び方もあります。

用語の整理(初めての方向け)

  • 量産品:需要の多い定番デザインを大量生産しているグレード帯を指す、販売店・見積サイト側の慣用的な呼び方。メーカー公式の商品名ではありません。
  • 1000番台:量産品より意匠性・機能性を高めたグレード帯の通称。1平方メートルあたりの標準単価がおよそ1,000円程度であったことに由来するとされる呼び名で(リノコ, n.d.)、品番の数字とは関係ありません。こちらもメーカー公式の名称ではなく、販売店・見積サイト側の慣用的な区分です。
  • SV規格:壁紙工業会が定める自主規格(Standard Value)。JIS規格に加えて重金属・VOC等の安全項目を上乗せしたもの。防火性能の基準ではありません。
  • 塩ビクロス:塩化ビニル樹脂を主素材、または表面化粧層に使用した壁紙。国内で広く使われる主流タイプ。
  • 織物クロス:植物繊維・化学繊維などを織って作る壁紙。繊維系壁紙とも呼ばれ、不織布(フリース)を基材にしたタイプもこの繊維系に含まれます。
  • 不燃・準不燃・難燃:建築基準法上の防火性能区分。加熱開始後、不燃材料は20分間・準不燃材料は10分間・難燃材料は5分間、防火の要件を満たし続けられるかで区分されます。壁紙と下地の組み合わせで認定されるもので、壁紙単体の性能表示ではありません。
  • 防炎:不燃・準不燃とは異なる、消防法第8条の3に基づく制度。カーテン・じゅうたん等の対象物品に、高層建築物や劇場等の防火対象物での使用が義務づけられる規制で、施工されて固定される壁紙は基本的にこの対象物品には含まれません。
  • リピート:柄のある壁紙で、同じ柄が繰り返し現れるまでの長さの単位。柄合わせを考える際に必要になる基礎知識です。
  • ジョイント:壁紙同士の継ぎ目(貼り合わせ部分)のこと。柄や色の見え方に影響します。柄物クロスの継ぎ目の柄合わせは文章より映像のほうが分かりやすいため、実在確認済みの動画を1本参考に挙げます。柄入り生のり付き壁紙の貼り方(継ぎ目の柄合わせ編)(RESTA)。それ以外の工程は選び方の解説が中心のため、無理に動画を追加していません。

部屋タイプ別・床材について(本記事の範囲外)

キッチン・洗面所・トイレなど水回りを中心とした部屋タイプ別の選び方は、換気・湿気・汚れやすさなど部屋ごとに考慮すべき点が多く、本記事の範囲では扱いきれないため別記事で詳しく取り上げる予定です。また、クッションフロアなどの床材についても、壁・天井のクロスとは選定基準が異なるため、別記事で扱います。本記事はあくまで「壁・天井のクロスをメーカー横断でどう見比べるか」という土台の整理として読んでください。

選び方チェックリスト

  • 対象の部屋は建築基準法上の内装制限(火を使う設備の有無・階数・延べ面積等)に該当し得るか確認したか
  • 該当する場合、下地材料とセットで防火認定を受けている製品を選んでいるか
  • 素材(塩ビ・紙・織物・フリース)は用途(耐久性・意匠性・剥がしやすさ)に合っているか
  • グレード帯(量産品・1000番台・特注)は部屋の優先順位(コスト重視か意匠重視か)に合っているか
  • サンプル請求や現物確認をしてから発注する流れになっているか
  • 業者依頼の場合、支給方式(業者支給・施主支給)を事前にすり合わせたか

まとめ

壁紙・天井用クロス選びは、メーカーの好みだけで決めるのではなく、「素材の種類」「グレード階層」「防火認証の要否」「入手チャネル」という複数の軸を組み合わせて考えると迷いにくくなります。特に防火性能はJISやSV規格では規定されておらず、建築基準法の内装制限という別の枠組みで下地とセットで認定される点は誤解しやすいので、対象になりそうな部屋では事前確認を徹底してください。部屋タイプ別の細かい選び方や床材の選び方は、別記事で改めて掘り下げます。

そもそも自分の家のリノベーション・リフォームってどこまでやっていいの?どこから始めればいいの?というかたはこちらから。具体的なリフォームの工程や施工などについて知りたい方はこちらのページも是非ご覧ください!

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また、本資料が必ず正しいということではなく、あくまで参考情報としてみてくださいね。

それでは!

参考文献

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